TOPRPAコラムRPAとAI、botとの違いを解説、定義から理解するRPAの特徴

RPAとAI、botとの違いを解説、定義から理解するRPAの特徴

2018/04/24

基礎知識

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業務効率の向上に関心がある方は、RPA(Robotic Process Automation)という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?しかし、AIやbotとどう違うのか、なぜRPAによって業務効率が上がるのか、といったことがいまひとつわからないという方も多いことでしょう。

本稿では、RPAとAI、botそれぞれの一般的な定義と違いについてわかりやすく解説します。なんとなく理解はしているものの、うまく言葉にして説明できないという方は、この機会にぜひ理解を深めてください。

botとは?

bot(ボット)を簡単に説明すると、エンジニアがプログラミングした手順に基づき、決まったタスクを繰り返すプログラムなどを指します。botという言葉自体がRobot(ロボット)を略したものなので、コンピューター上で動作するロボットと解釈するとイメージしやすいのではないでしょうか。

botはもともと人間がコンピューター上で行っていた作業を人間に代わって自動実行してくれるプログラムで、指定したタスクを自動で実行してくれます。指定したこと以外はしないため、AIのように自動で改善などはされず、ひたすら同じことを繰り返し続けるのがbotの特徴です。また、複雑な作業になればなるほど、高度なプログラミングスキルが要求されます。

身近な例を挙げると、Googleなどの検索エンジンにもbotが導入されています。検索エンジンではWebページを検索データベースに登録することで検索結果に反映させているのですが、各サイトを巡回してWebページを検出・スキャンしているのがbotです。

検索エンジンのbotはクローラとも呼ばれていて、10億以上あるとされる世界中のWebサイトを自動で巡回してデータベース化しています。人間の手で10億ものWebサイトを巡回してデータベース化するのは不可能ですが、botに自動巡回させることでそれを可能にしているのです。

では、botは実務でどう役に立つのでしょうか?作業内容が定型であり、かつbotのプログラミングができる人材が社内にいれば、作業を自動化し、業務効率を向上できることでしょう。

たとえば、ECサイトに掲載されている多数の商品の価格を毎日調査する業務があるとします。これを手作業で行うことはできますが、ひとつひとつの価格を調査するには時間がかかりますし効率的とは言えません。

こうした繰り返しの作業はbotに向いていて、プログラミングをして自動処理できるようにしておけば、あとはPCなりサーバーなりでbotが勝手に作業してくれます。保守以外の工数はほぼかからないので、ある程度の期間が経った時には、botの開発に要した工数を上回る工数削減がなされているでしょう。

AI(人工知能)とは?

AIの定義や特徴はさまざまですが、「学習し、人間に代わり判断することができる」という点がbotとの大きな違いです。

わかりやすい例を挙げるなら、圧倒的な強さで注目を浴びた囲碁の人工知能「AlphaGO(アルファ碁)」があります。「AlphaGO」は自己対局を繰り返すことで自ら学習し、プロ棋士に匹敵する棋力を獲得しました。

昔から囲碁ゲームにはコンピューター対戦がありましたが、学習はしないので設定された強さ以上にはなりません。それに対して人工知能である「AlphaGO」は自己学習で棋力を高めることができるので、言うならば人間のようにどんどん強くなっていけるのです。

その他にも、医療分野ではAIがCT画像の診断支援を行っていたり、生活に身近なところでは「Google Home」や「Amazon Echo」といったAIスピーカー(スマートスピーカー)などに導入されたり、さまざまな分野でAIの活用が広がっています。

ところで、近年注目されているAIの学習方法である「機械学習」とそれを発展させた「深層学習(ディープラーニング)」をご存知でしょうか?

同じものと認識されている方も多いかと思いますが、正確に言えば機械学習とディープランニングはイコールではありません。ディープラーニングは機械学習の中の一手法を指す言葉です。

まず、機械学習について簡単に説明しましょう。基本的にコンピューターは、人間の操作やプログラムの指示通りに動くだけのものです。しかし、これでは人間が一から十まで事細かに指示せねばならず、人間が指示をするのが難しい事柄になるとお手上げになってしまいます。

たとえば、多くの動物の写真から、猫だけを選ぶプログラムを人間の手で書くのは困難です。猫の持つ特徴を、コンピューターが扱えるよう定量的・定式的に表すのが難しいことは直感的におわかりいただけるでしょう。

機械学習は、そうした問題を解決しうる手法です。人間がプログラミングできないのならば、機械自身に学習させて処理ができるようにしようという発想が機械学習の基本になります。学習のために入力とその答えとなる出力の情報をセットで大量に与え、入力に応じて適切な答えが出力できるモデルをコンピューターの中に構築させます。

ディープラーニングはこの機械学習をさらに推し進めた手法を指します。実のところ、1段階だけ機械学習をさせても「猫か、それ以外の動物か」といった複雑な問題を解くのは困難です。実際とは異なりますが、わかりやすいようこのまま猫でたとえると、「ヒゲはあるか」「耳は三角か」「体毛はふさふさか」といったひとつひとつの判断が1段階の機械学習です。

当然それらひとつだけでは猫かどうかの判断はできません。こうした学習の結果を多数組み合わせることにより、ようやく「猫か、それ以外の動物か」という問題が解けるようになります。このように、何段階にもわたって処理を重ねて複雑な問題への対応を可能とするのがディープラーニングです。

ディープラーニングのアイデア自体は以前から存在しましたが、膨大な計算能力やデータが必要なことから長らく理論上の存在に過ぎませんでした。近年になって、コンピューターの性能向上やインターネットを通じたデータ収集が容易になったことから実現可能な技術となり、いま注目を集めています。

RPAとは?

RPAとは、簡単に言ってしまうとホワイトカラー(頭脳労働者)のパソコン操作を認知技術や機械学習を利用して自動化する概念を指す言葉です。RPAを使って人間の作業内容を記録させることにより、自動操作が可能になります。

指定した作業を自動で実行させるという点ではbotと共通していますが、RPAは人間の操作を記録させて手順を覚えさせることができ、プログラミング不要で利用できるという点が大きな違いです。

もう少し詳しく説明すると、botでは手順を一挙手一投足まで正確に指示しなければならず、開発にはプログラミングの知識が必要となります。botで作業を自動化するにはプログラマやエンジニアの力を借りなければならないため、自社にbotを扱える人材がいない場合は外注しなければなりませんし、保守費用も発生してしまいます。

対してRPAはプログラミングをする必要はなく、普段パソコンで操作している手順をそのまま覚えさせればいいので、プログラマやエンジニアでなくとも扱えます。言うならば新人社員に仕事を教える時、実際に作業手順を見せて覚えてもらうのと同じで、それをRPAにさせるというわけです。
また、変更や修正もGUIで実施できるツールが多く、プログラミングをせずともRPAの画面から作業内容の追加削除ができるため、業務についての知識さえあれば誰でも業務を自動化することができます。

AIの機械学習や深層学習(ディープラーニング)を連想して難しく感じるかもしれません。しかし、RPAはAIと比べて必要な学習量が少なく、かつプログラミングの知識が不要であるため、相対的に導入のハードルは低いと言えるでしょう。

また、RPAは開発体制の中で取りこぼされやすいシステム化しきれなかった細かな作業や定型作業の自動化に適しています。なぜなら、プログラミングが不要であることで現場レベルでの改善が可能だからです。

そのため、RPAはさまざまな職場に導入されており、ホワイトカラーの生産性向上や業務時間短縮に役立てられていくと予想できます。

最後にRPAの正式名称である「Robotic Process Automation」の意味をみてみましょう。

「Robotic(ロボティック)」→「ロボット工学」、「Process(プロセス)」→「工程」
「Automation(オートメーション)」→「自動化」

単語の意味をつなげると、「ロボット工学による工程の自動化」という意味であることがわかります。つまり、ロボットを用いてホワイトカラーが本来行うパソコン操作を自動化するのがRPAです。

RPAという言葉、または「Robotic(ロボット工学)」という部分だけ切り取ると難しい印象を持たれるかと思いますが、その仕組みがわかればbotやAIよりも取り組みやすいことを感じていただけたのではないでしょうか。

おわりに

RPAとbot、AIはそれぞれ得意分野が異なります。単純な繰り返し作業で開発リソースが確保できる環境であればbotが適していますし、学習による継続的な改善が必要であるならAIが適していると言えるでしょう。

プログラマではないホワイトカラーが、現場で業務改善を行っていくのであればRPAが向いています。RPAのワークフロー上で他のbotやAIを操作することも可能なので、これらを組み合わせることでより一層の業務効率改善も実現できるでしょう。

働き方改革や少子高齢化による労働力減少などを背景に、いまや生産性向上・業務効率改善は日本社会全体に共通する課題となっています。その有力な解決策のひとつとなるRPAが活躍するシーンは加速度的に広がっていくことでしょう。

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