RPAの導入で可能になるオフィス業務・事務作業の自動化・効率化

『仕事』と『ロボット』を紐付けたときイメージされるのは、工場などで規則的に動くロボットではないでしょうか。しかし、昨今ではRPAの登場によって、コンピューターで行うオフィス業務も自動化が実現されました。
本稿では、RPAの導入で可能になるオフィス業務や事務作業の自動化・効率化について、具体的に解説します。RPAの導入によってどのような業務が自動化できるのか、どのような利点があるのかを解説していますので、オフィス業務の効率化に興味がある方はぜひご一読ください。
産業用ロボットにはオフィス業務・事務作業はできない
工場などで使用されている産業用ロボットは、高速かつ正確に同じ作業を繰り返すという特徴があります。これによって、人間の肉体労働の負担が減り、人件費削減などを実現しました。
一方で、産業用ロボットではオフィス業務や事務を代行できません。なぜなら、産業用ロボットは、ソフトウェアが必要となるオフィス業務を行う前提に作られていないからです。
つまり、オフィス業務を自動化するためには、コンピューターの中で作業を行うソフトウェアロボットが必要となります。
RPAは事務作業の自動化が可能
産業用ロボットが肉体労働の負担を軽減し自動化することが得意であるのに対し、ソフトウェア型ロボットでありコンピューターの中で動作するRPAは頭脳労働の負担を軽減し自動化することを得意とします。
たとえば、コンピューターを用いて行われる発注書作成などの定型業務であれば、人間よりも大量に・素早く・正確に行うことが可能です。また、産業用ロボットが設定した作業を自動で行うのと同じように、RPAは設定したワークフローに従って自動で事務作業を行ってくれます。
つまり、RPAはオフィス業務の自動化に最適ということです。従来は手作業で行っていたデータ入力などのオフィス業務を、RPAに代行させることで担当者の負担が大幅に軽減され、業務効率化が実現します。
なお、オフィス業務の場合は、実際にロボットが作業するわけではなく、コンピューター上でソフトウェアが作業を行うので場所をとりません。その点も産業用ロボットとソフトウェア型ロボットの違いといえるでしょう。
RPAをオフィス業務効率化につなげる使い方
RPAが適している業務には、下記に挙げる3つの特徴があります。
1:情報が電子化(構造化・正規化)されている業務
2:定常的に発生する業務(大量の反復操作を伴う業務)
3:処理方針や判断ルールが明確な業務
まず1つ目の業務についてですが、RPAはコンピューター上にあるデータを扱うため、情報の電子化は前提条件です。しかしながら、すでにデータ化されている場合は問題なく自動処理でき、電子化されていない紙ベースの資料やデータは、OCR(光学的文字認識)を使えばデータ化できるので心配ありません。
2つ目の業務については、RPAが最も業務効率化に貢献する分野といってもよいでしょう。RPAは作成したワークフローに従ってミスなく反復操作を行うことができます。定常的に発生する事務作業に向いているといわれるポイントです。また、月次の短期間作業ではあるが1度の業務量が多いようなものも、担当者が毎回作業内容を思い出したり、日常の業務と並行して行わなければならなかったりという負担が軽減され、業務の品質向上以上の効果が期待できます。
3つ目の業務もRPAには必要な条件といえます。たとえば、指定の条件を学習させたAIとRPAを組み合わせることができる場合、情報に応じた判断が必要となる非定型業務の対応も可能です。なお、RPAだけで自動化する場合、RPAに業務の手順や判断分岐を記録する必要があるため、処理方針や判断ルールが明確な業務が適しています。
RPAで自動化できる業務例
RPAは具体的に、以下を代表とする業務の自動化を実現します。
・データ入力業務(例:人事業務)
・Excelなどを使用した編集業務(例:販売情報転記業務)
・反復的だが作業量が多くミスをしやすい業務(例:受発注業務)
・データ収集・情報収集業務(例:売上データの集計業務)
RPAが活躍しやすい一つの例としては、データ入力やデータ収集などの業務です。大量のデータを扱う際のミスによるリスクを防止するという点でも、業務効率化の貢献度は高いといえるでしょう。
たとえば、大量のデータ入力を人間が行う場合、疲れから集中力が切れると、ミスが起こりやすくなってしまいます。また、単純な繰り返し作業ほどミスに気づきにくいものです。一方、RPAはソフトウェア型ロボットであるため単調な作業でも安定して作業をすることができ、長時間作業をしても予期せぬエラーがない限りミスをする可能性はとても低いです。
また、一つ具体的な業務の例を挙げると、受発注業務に関して、RPAの導入が業務効率を改善する一手となり得ます。
なぜなら、取引先や受発注量が増えるほど、担当者の負担は大きくなってしまいがちです。これにより、人為的なミスが起こってしまう可能性が高まります。しかし、受発注に関するミスは取引先に迷惑をかけますし、信頼を損なう恐れがあるばかりか、数量の桁を間違えると、大きなトラブルに発展しかねません。
一方、RPAに受注書や発注書を発行させれば受発注業務の効率が上がるだけでなく、人為的なミスも減らせます。担当者は、今月分と前月分に差異がないか印刷前に確認すれば済むので、負担が大幅に軽減されることでしょう。
このように、明確なルールがあり、誰もが同じ手順で作業する必要がある業務であれば、RPAで自動化した方が業務効率化の改善につながり、人為的なミスの防止にもなります。
RPAにオフィス業務を任せることで従業員の負担が減る
上述したように、RPAは様々なオフィス業務を自動化することができます。RPAを導入することで全体の作業時間が短縮された結果、今まで後回しにしていた改善活動や新しいビジネスを推進する時間の余裕が生まれます。
また、今まで人間が担っていた作業をRPAが担うことにより、間違えてはならないという精神的な負担や、繁閑差のある業務を思い出さなければならないという負担も軽減されます。人為的なミスを防止するという点においても、RPAの貢献度は大きいです。
つまり、RPAの導入により、反復的で大量の処理を要する事務作業から開放され、人間でなくてはならない創造性を求められる業務などに集中することができるようになるでしょう。
おわりに
RPAは、産業用ロボットがそうであったように、人間に新しい働き方を提案するものであると考えることができます。現在の多くの工場がそうであるように、近い将来、RPAは多くのオフィスで当たり前に活用されるようになるかもしれません。
なお、はじめて導入するRPAは、NTTデータが販売するWinActorがおすすめです。WinActorは、非常にスタートしやすい導入コストとなっており、難しいプログラミングなども必要ありません。全国の販売代理店によるフォロー体制も整っているので、安心して導入ができます。
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