《開催報告》NTTデータ・WinActor販売特約店7社共同出展「Japan IT Week2019春(後期)AI・業務自動化展」
Japan IT Week 春にパートナー7社と共同出展、WinActorのソリューション連携がテーマ
2019年5月8~10日、「第29回 Japan IT Week 春 後期」が開催され、NTTデータはWinActorを通じてパートナーとなっている7社と共同で「AI・業務自動化展」に出展しました。
RPAの社会的な認知度が高まってきていることを踏まえ、今回はWinActorそのものの説明よりも、併用・連携することで、より大きな効果を生み出す製品・サービスの紹介にポイントを置いた構成になっています。
好評いただいた各社のサービス資料は、以下サイトよりダウンロードできます。
IT WEEK2019春特設サイトはこちらから
AI-OCRや他社ソリューションとの連携利用を提案
NTTデータ・コーナーではWinActorはもちろん、複数のWinActorを集中管理し内部統制強化を図れる「WinDirectorⓇ」、さらに紙媒体をスキャンしてWinActorで扱える電子データにしたり、
そのデータを自動で仕分けたりできる「DX SuiteⓇ」(開発元:AI inside)を展示しました。
「DX Suite」に搭載されているAI-OCR機能の高い識字率を示すため、その場でお客様に手書きしていただいた文字をタブレット端末でスキャンし、テキストデータ化するデモを実施したところ、「走り書きみたいな文字でも認識できるんだ!」と、多くのお客様が驚かれていました。
またブースの一角に用意されたステージでは、WinActorと他社ソリューションとを連携させて仕事を効率化する方法をご紹介しました。
例えばシステム監視ツールが、特定のフォルダにファイルが入れられたことを検知したらWinActorを起動、そのファイルをWinActorで自動処理するという使い方や、チャットツールからWinActorに会議室の予約指示を出す用例などを、デモを交えてご説明しました。
【Blueship】テーマ:RPA × ITシステムマネジメント
シナリオ作成から「家庭教師」サービスまできめ細やかなサポートを展開
リソース管理ソフトウェア「trinity」やITSM運用支援コンサルティングなどを手がけているBlueshipは、
RPAへの知見も豊かで東京都のRPA化支援も担当している企業です。
同社は「RPA × ITSM」をテーマに、WinActor向けに提供している各種サポートメニューを紹介していました。
同社の「シナリオ作成サービス」は、シナリオのノード数や難易度に応じて5段階の料金が設定されており、明快で分かりやすくなっています。
アウトソーシングするとコストが割高になりがちなシナリオ作成ですが、これなら安心して依頼できそうです。
シナリオ作成を内製しようというユーザーのためには、ちょっとした質問にすぐに応えてもらえる「WinActor電話サポート」、
ユーザーの元をスタッフが訪れ、家庭教師のように実際の環境の中でシナリオ作成を支援する「RPAブートキャンプ」なども紹介されました。
セミナーや講習会などのように、主催者側が準備した環境で学ぶだけでは分からないような、ユーザー環境に起因する問題があっても、この「ブートキャンプ」でなら解決できそうです。
中小企業の導入支援を強みとし、トータルコンサルティングを提供
ITの総合コンサルティング企業であるアイエンターは、業務フローの分析から構築支援、PoC、導入後の技術サポートなどを展開し、中小企業を含めた多くの企業の効率化に貢献しています。
ステージプレゼンでは健康食品通販企業(従業員数30人)へのWinActor導入支援事例を披露し、注目を集めていました。
アイエンターでは、まず通販の受注・キャンセルメールを自動処理するシナリオの作成を支援し、月3,000件、100時間の作業を削減することに成功しました。
この成功に影響を受け、その後、経理やマーケティング企画、情報システム部門でもWinActorの導入が進み、年間1,000時間の効率化が実現したとのこと。
そのシナリオ作成は、最初にアイエンターと一緒にメールの自動処理化に取り組んだスタッフが中心となって行われたといいます。
「導入初期だけベンダーの力を借りる」「まず一つの業務を確実にRPA化してみる」の二つがRPA導入・活用のコツだとアイエンターのご担当者は語られていましたが、この事例は好例と言えるでしょう。
RPA導入効果の最大化には、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)が王道
コンサルティングからシステム開発、保守・運用までの一連のサービスを提供しているアイエックス・ナレッジは、RPA導入におけるBPMの重要性を説明していました。
つまり現状業務のプロセスを部門横断的にチェックしなければ、RPA導入の効果が限定的になってしまうということです。
例えば従業員数1,000人の企業が、RPAによって月20時間の作業を削減できたとしても、それは総労働時間の0.0125%にしかなりません。
しっかりと業務のボトルネックを発見して、その部分にRPAを導入することが、自動化の効果を高めることにつながるのです。
展示では同社が提供しているBPMツール「Metasonic Suite」が展示され、業務プロセスのモデリングや、それに基づいた実行環境の生成が簡単に行える様子がデモで示されていました。
RPA導入時には既存業務の棚卸しが必須とされていますから、こうしたツールによって高速かつ適切なプロセスの見直しを図れれば、より効果の高い自動化を円滑に進められるでしょう。
国内初、クラウド環境でのRPA保守・監視サービスを展開
宅急便でお馴染みのヤマトグループでは、全国の宅急便センター約6,800箇所、主管支店88箇所で日々行われている業務に、WinActorの導入を進めています。
1センターで月1,500時間を要していたある業務を、WinActorによって200時間に圧縮することができた例もあるといいます。
このシナリオを6,,800箇所で導入するわけですから、その効果は膨大なものです。
しかし導入直後には、RPAについての知識がない現場スタッフから「トラブルが起きた時に対応できないから不安」との意見が寄せられ、活用が進まない状況もあったとのこと。
そこで生まれたのが、ヤマトシステム開発による24時間365日のWinActor保守・監視サービスです。これはデータセンター上に置いたWinActorをクラウドサービスとして提供するという仕組みになっています。
同社が常に保守・監視できる体制を整えながら、各拠点に自動化環境を提供できるようにしたことで、現場の不安を解消することに成功しました。
ヤマトシステム開発では2019年夏から、このサービスをグループ外にも販売していくとのことです。クラウド上のWinActorを従量課金で利用できるため初期投資が少なくてすみ、また保守面でも安心感が得られます。
WinActor導入の、有力な選択肢の一つとなりそうです。
リモート接続でライセンス料を抑えつつ、スマートな管理も実現
社内でWinActorの利用が進み始めると、「専用の作業PCが必要」「使っていない時間帯もライセンス料が発生している」などが課題となってきます。
これを解決するのが、アクシオが開発・提供しているアドオンツール「OnRPA」です。
Windows標準のリモート接続(RDP接続)でユーザーのPCからロボPCにアクセスし、自動化処理を実行させることができます。
RDP接続の「後着優先」問題は解決されており、またロボPCが複数ある場合は、それぞれの稼働状況が表示される仕組みも整っています。
ユーザーは空いているロボPCを選んで使えるので、部門ごと、拠点ごとにロボPCを仕立てなくても、限られたライセンスを共有できます。
6月には高度なタスク管理機能を搭載し、夜間作業の予約も可能な「OnRPA2」がリリース予定とのことで24時間365日、ライセンスを有効活用できるようになります。
またキングファイル・サイズに5~30台のPCを収めた「リモートPCアレイ」も展示されていました。
ここにロボPCをまとめ、ユーザーには「OnRPA」でアクセスしてもらうようにすれば、ロボPCの管理のために社内や拠点へ出向かなくても済むようになります。
ユーザー企業でのレクチャーに加え、派遣スタッフへの教育にも取り組む
総合人材サービスのヒューマンソリシアは企業の人手不足に対し、人材紹介や人材派遣などのサービスで労働力の供給を行っていますが、2017年からはWinActorの特約店となり、またNTTデータと共同開発した教育研修を提供することで、企業の効率的な働き方に貢献しています。
同社ではWinActorの教育研修として、初めて触れる人向けの「初級」、シナリオ作成技術者養成研修である「中級」、さらに多くの機能を使って自立的にシナリオ作成ができる「上級」の3コースや、エンジニアがユーザー先でシナリオ作成をサポートするオンサイトサポートなどを展開していますが、より充実したサポートのために2019年5月7日、RPAによる自動化推進ベースキャンプ「RPA Tech Lab」を東京・銀座に開設しました。
ここでは使いこなすことを目的としたユーザー向け研修や個別指導などが行われているとのことです。
また同社の派遣スタッフにも140時間におよぶシナリオ作成のトレーニングを行い、今後、要望のある企業に派遣していくことが発表されました。
「DX Suite」で手書き帳票のデータ化、仕分けを実現、自動化に拍車
システム構築におけるコンサルティングから設計、開発、運用、保守に至るまでトータルでサポートするシステムインテグレータ、ニーズウェルは、AI-OCR機能、ファイルの自動仕分け機能(Sorter)、権限管理機能(Console)を搭載した「DX Suite」とWinActorを連携させた活用例をプレゼンしました。
両ソリューションの連携により、帳票類をまとめてスキャンした後は、それをデータ化するところから、Sorterで請求書・注文書など種別に応じて仕分け、CSVに書き出し、さらに別システムへ入力・転記するところまでを自動化できます。ステージではそのデモ映像が流され、多くの来場者の関心を惹いていました。
注文書の自動データ化と受発注システムへの入力に、この連携を採り入れた企業では、社員の工数を50%削減できたとのことです。
展示コーナーでは同社が手がけるWinActor導入支援や、WinActorと「DataSpider Servista」(開発元:アプレッソ)を利用して社内システムの連携を図るサービスなどが紹介され、常時賑わいを見せていました。
他ソリューションとの連携が進み、活用シーンはますます拡大
AIをはじめ、様々なソリューションとの連携活用が提案されるようになり、また導入や運用、保守などのサポートも充実してきたWinActor。今回の共同出展ブースが、WinActorの活用範囲の拡がりや今後の可能性を、皆様に感じ取っていただけるものになったとしたら幸いです。
NTTデータは、全国350社のWinActor販売特約店とのパートナーシップを更に強化し、RPA化に取り組む皆様をサポートいたします。