WinActorアンバサダーコラム Vol.4(関 尚弘)
「各拠点の資料の項目と書式を揃えました!」
M君のこの嬉しい一言が忘れられません。
桜前線が日本列島を駆け上がる4月。新入社員を迎えられた職場も多いことと思います。
社会人になってもいろいろなことを学んで成長して欲しいですよね。
当社経理部門に配属されたM君もそのひとりでした。
年間スケジュールを一通り経験した入社2年目の2017年8月31日。古河電工の経理部長(現CFO)と私は経理部門に「AI・ロボティクスプロジェクトチーム」を作りました。そこで、M君はRPAに出会います。
古河電工は国内に複数の事業所を持ち、更に各事業所内に複数の工場があります。毎月の経費実績資料はエンドユーザが分析し易いようにExcel形式に加工されていましたが、その資料を工場毎に作成する経理部門は毎月大変な力作業をしていました。
M君はその資料作成作業のRPA化に取り組みました。RPAでサクサクっと資料が出来た時、M君は全部の工場の資料も一気に作れないかと考えました。しかし、工場毎に項目や書式が少しずつ違っていたのです。M君は考えました。「項目と書式を揃えれば一気に全部作れるかもしれない」と。
これって、「標準化」ですよね。
でも、標準化は大変な作業なので、間違いなく苦労します。この標準化、誰かから指示されて嫌々やるのと、自分で気づいて「よーし、やってみよう」と工夫してやるの、どっちがいいですか?
出来た時の喜びは圧倒的に後者の方が大きいですよね。
RPAをやってうまくいくと、もう少し大きな効果を出したいと思いますが、だいたいそこで項目や書式がバラバラ!という壁にぶつかります。これはM君のように標準化をすることで乗り越えられるのですが、RPAをやっているとこの「標準化の必要性」に自分で気づきます。RPAによって確実に効率化できるシナリオが見えてくると標準化を進めてみよう、壁を乗り越えてみようという意識も働いてきます。この「自分で気づく」ということが「学び」という観点でとても大事なことですし、前に進む原動力にもなるのです。
新入社員にはこういう経験を沢山してもらって、どんどん成長してもらいたいですよね。
M君や「AI・ロボティクスプロジェクトチーム」の話の続きはまだありますが、また今度!
ロボットの名前は公募
皆さま、こんにちは。WinActorアンバサダーの関です。
前々回のコラムでご紹介した「古河ロボ助」。実は、栃木県の工場にも同姓同名の「古河ロボ助」がいます。勿論、社員番号と勤務地が異なりますので、問題はありません!
本社勤務の「古河ロボ助」の名前はRPA活動が軌道に乗ってきた2017年秋に職場公募して決めました。助けてくれるロボットなのでロボ助。かわいい名前で気に入っています。
経理チームも公募で名前を決めました。名付け親の副賞は握り寿司。私の自宅に来てもらい、副賞として私がお寿司を握ってご馳走しました。
もちろんすべてのロボが人事システムに登録されていて入社日・勤務地・勤続年数・所属部門など管理されています。1期生であるロボ助たちの入社は2017年10月16日付なので、もうすぐ勤続5年になります。文句も言わずよく働いてくれます。時々止まるけどね(笑)
今後のコラムテーマ
私は「RPAは人材育成ツール」だと思っています。この考え方をベースに事例を交えてコラムを綴っていきます。もしよかったら引き続き、お付き合いください。
Vol.1 自己紹介・RPAとの出会い・RPAに対する考え方・今後のコラムのテーマ(1月)
Vol.2 小さな成功体験が得られる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2月)
Vol.3 フロー図で業務改善を考えられる・・・・・・・・・・・・・・・・・・(3月)
Vol.4 標準化の必要性に自分で気づく・・・・・・・・・・・・・・今日はココ(4月)
Vol.5 自組織の壁を超え、共通言語で情報交換できる
Vol.6 人前で事例発表するたびに学びが深まる
Vol.7 教え合いでより深く学び合える
Vol.8 グループで教え合うことでチームが育つ
Vol.9 発表会を企画する自主性が育つ(全員がエヴァンジェリスト)
Vol.10 グループ活動でリーダーが育つ
Vol.11 生産性が上がり、業務効率もアップ。より付加価値の高い仕事ができる
Vol.12 まとめ
変えること、変わることを楽しみましょう! Have Fun!
関 尚弘(Seki Naohiro)
古河電気工業株式会社
戦略本部 ICT戦略企画部 主席
BPR・プロジェクトファシリテーション プロフェッショナル
※2024/3/31 で退任され、プロフィール等は同日時点の情報です