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WinActor TOP導入事例WinActor®導入事例・自治体編【愛知県蒲郡市、三重県伊賀市】特別定額給付金を、いかにスピーディに届けるか WinActorとNaNaTsu® AI-OCR with DX Suiteを利用した2市の取り組み

WinActor®導入事例・自治体編【愛知県蒲郡市、三重県伊賀市】特別定額給付金を、いかにスピーディに届けるか WinActorとNaNaTsu® AI-OCR with DX Suiteを利用した2市の取り組み

伊賀市役所外観

新型コロナウィルスによる家計への打撃を軽減すべく打ち出された、特別定額給付金(以下、給付金)。申請・給付の窓口として実務を行う全国の市区町村役所では、給付金事業のための体制づくりから、紙の申請書の発送、返送されてきた書類の記載内容チェック、システムへの入力や振込手続き、問い合わせ対応など、多くの業務に追われることとなりました。

こうした業務の負担を少しでも和らげようと、NTTデータでは2020年5月1日~7月31日、紙資料をデジタルデータ化するAI-OCRサービス「NaNaTsu® AI-OCR with DX Suite」(以下、NaNaTsu®)と、RPAソリューション「WinActor」、その利用法を解説したe-ラーニングなどをセットにし、希望される地方公共団体向けに無償提供しました。本稿では、利用の申し込みをいただいた228自治体の中から、愛知県蒲郡市、三重県伊賀市の事例を紹介します。

導入業務

・特別定額給付金の申請受付~給付金システム登録までの一連の作業
 (手書き申請書のテキストデータ化、同データのシステム入力など)

ポイント

・人的負荷を抑えつつ、スピーディな給付を実現
・自動化シナリオの作成、帳票定義などの準備が短期間完了できた
・AI-OCRを円滑に利用するために、申請書フォーマットに工夫を施した

【蒲郡市役所】

蒲郡市役所 情報担当の皆さん

開発開始から、わずか半月という短期間で自動化を実現

蒲郡市では今回の無償提供サービス以前からRPAソリューションによる効率化に着目し、2019年末には税や入札等の業務で試験運用を行っていました。
「今年度より本格的に導入することに決め、委託業者も選定しました。RPAのシナリオ作成やメンテナンスのために職員の負担が増すのは本末転倒なので、ツール選択だけでなくシナリオ作成も委託範囲としました。」と、蒲郡市役所 総務部行政課の城田愛弓氏は言います。
 同市が給付金事業の準備を開始したのは、4月末に国の補正予算が成立する1週間ほど前でした。13人のプロジェクトチームを組み、住民周知から支払処理に至るまでの工程を検討する中、迅速な給付を実現するためにはRPAとAI-OCRが必須だと城田氏は考えていました。
「ちょうどその頃、NTT西日本に相談したところ、WinActorとNaNaTsu®の無償提供があると聞き、これを活用することにしました。NaNaTsu®の帳票定義や、読み込み項目の調整、RPAシナリオ作成などに協力をいただいています。わずか半月という短期間での開発でしたが、完成後は大きなトラブルなく稼動させられています」(城田氏) 

 

1日5,000件以上のシステム登録に、職員ひとりで対応できるように

 5月27日、市内約33,000世帯に申請書類を一斉発送すると、多い時には日に7,700通もの申請書類が返信されてきました。これを自動開封機で開け、職員が記載内容を審査、問題がなかったものだけをスキャナにかけます。スキャンされた画像はNaNaTsu®でテキストデータへ変換し、間違いなくデータ化されているかを目視で確認していきます(この確認作業にかかる時間を減らすため、NaNaTsu®で読み取る項目は申請書番号、申請者氏名、振込先だけに絞り込む工夫がなされています)。その後、このデータをCSV形式に加工、WinActorが給付金システムに自動登録していきます。振込はシステムから抽出した振込情報を印刷し、最終的に申請書を読み合わせることで確実な振込を行います。
「システム登録にかかる人員を大幅に減らせたことが、今回の最大の効果です。実は自動化が始まる前の1ヶ月は、早急に振込が必要な世帯に向けた対応として、審査から登録までをすべて手作業で行っていたんです。約3,000世帯あって、かなりの時間と人手がかかっていました。ところがWinActorやNaNaTsu®が稼動を始めてからは、日に5,000件以上もの処理が可能となり、RPAでのシステム登録やエラー処理なども、私ひとりで対応できるようになって、これはすごいと思いました」(行政課 飛田康太朗氏)
同市の給付完了率は6月12日で83%、8月7日には99%にまで達しているといいます。
 現在、業務ごとの適性に応じて数種類のRPAツールの導入を検討している同市ですが、城田氏はWinActorについて、次のように評価しています。
「今後は現場から、予算をかけずにRPAを導入したいという声が大きくなるかもしれません。その点、WinActorは少し勉強すれば職員でもシナリオをつくれますし、メンテナンスもしやすいツールです。職員が自発的にIT化に取り組もうという意識が高まった際には、それに応えるための選択肢になるだろうと考えています」

 

【伊賀市役所】

「10年前の方法では給付が遅れる」と、RPAとAI-OCRの導入を提案

 伊賀市もまた、早期から給付金業務の自動化に取り組んだ自治体の一つです。2019年、三重県が実施したRPA導入の効果検証において、モデル団体の一つとして選ばれたことがきっかけだったと、企画振興部 広聴情報課 情報政策係長の森 大樹氏は説明します。
 検証用のツールとして県から指定されたのはWinActor、技術サポートは百五銀行グループの株式会社 百五総合研究所、百五コンピュータソフト株式会社が担当し、森氏の属する広聴情報課の管轄の下、軽自動車税に関する業務の自動化に取り組みました。効果は大きく、それまで450時間ほどかかっていたデータ入力作業が108時間にまで短縮されました。
 2020年4月27日、給付金事業に備えて総務部 総務課内に給付金室(21人体制)が設立されると、森氏も協力メンバーとして参加することになりました。
氏は10年前の定額給付金事業(リーマン・ショック後の緊急経済対策として実施)でのシステム構築にも携わっていましたが、その時と同等のシステムを組んでいたのでは給付が遅くなってしまうと考え、「既存のパッケージソフトをカスタマイズして給付金システムをつくること」「前処理の工程にはRPAやAI-OCRを活用すること」を提案しました。
 給付金室長を務める総務部 総務課長の奥田 泰也氏は、「実際のところ給付金室は、複数の部署から人を寄せ集めてつくったチームです。RPAやAI-OCRがどんな仕組みでどう動くのか、殆どのメンバーが知りませんでした」と、当初は戸惑いがあったことを認めつつ、デジタル技術に詳しく、なおかつ過去の給付金事業を経験してきた森氏の実績を評価して、この提案を受け入れることにしました。
 以降、給付金室と森氏、さらに百五コンピュータソフトの間で協議が進められ、WinActorとNaNaTsu®の導入を前提に業務プロセスを決定、シナリオ作成に取りかかっていきました。当初NaNaTsu®は「ライセンス料を支払ってでも使う予定だった」(森氏)といいますが、シナリオ作成が進行しているさなかにNTTデータから無償提供の話があり、すぐに利用を申し込んだといいます。

初めて見る新技術への安堵感と、さらなる効率化に向けた期待感

 こうして申請書の発送開始を間近に控えた5月末、WinActorとNaNaTsu®による自動化プロセスを組み込んだ処理フローが完成しました。封筒の開封から記載内容のチェック、スキャンまでを職員が行い、NaNaTsu®でテキストデータに変換します。このデータをチェックし、記載内容の矛盾や変換ミスと思われる申請を「エラー」としてはじき出す工程にWinActorが利用されています。人はエラー分だけを詳細に確認すればいい仕組みです。問題がなかった申請については、WinActorでCSV形式に加工し、給付金システムに読み込ませます。
「合計約40,000件の処理が必要なので、WinActorに1件ずつ給付金システムへのデータ入力をさせるより、システムが一括読込できるデータをつくらせた方が早いと考えて、このようなかたちにしました」(森氏)
 新技術の採用に不安を感じていた給付金室 主任の杉浦 直樹氏は「実際のものを見るまで想像がつかなかったのですが、稼動しているところを見て安心しました。使ってみると難しくありませんし、便利なものだと実感できました」と、振り返ります。
 6月1日からの1週間で約27,000件の申請が寄せられましたが、続く1週間で、それらすべての処理が完了したといいます。
「ピーク時でも振込手続きまで、平均5営業日以内で終えられ、データ入力作業に要した人員も、AI-OCRで読み取ったテキストデータをチェックするだけなので、1日平均10人程度ですんでいます」(杉浦氏)
 給付金事業を通して、市役所内でもRPAとAI-OCRについての理解が深まりました。森氏は新技術の需要が増えることで、さらなる効率化につながることを期待しています。
「今年度はさらに契約ライセンスを増やし、約60,000件の処理が必要な固定資産税関連業務などにも利用していく予定です」(森氏)

 蒲郡市、伊賀市の利用事例をご紹介してきました。早期から自動化を進めようと考えていたこと、短期間で開発を完了させたことなど多くの共通点がありましたが、もうひとつ共通していた点があります。それはスキャンの効率化やAI-OCRでの文字認識エラーを回避するために工夫を施されていたことです。両市とも、申請書のフォーマットや添付書類の扱い、封入時の折り目にまで気を遣って、どうすれば円滑に作業を進められるかを考えたといいます。そうした工夫もあって、短期間での給付を実現させることができたのです。
両市の事例はWinActorやNaNaTsu®の効果的な利用例というだけでなく、人の工夫によってIT活用の効果を高められた好例であるとも言えそうです。

※NaNaTsu® AI-OCR with DX Suiteについてのお問い合わせはこちらから

 

蒲郡市概要

地方公共団体名

愛知県蒲郡市 

所在地

愛知県蒲郡市旭町17番1号

人口

79,886(2020年8月1日現在)

ウェブサイト

https://www.city.gamagori.lg.jp/

 

WinActor販売特約店(蒲郡市)

会社名(商号)

株式会社NTTフィールドテクノ

本社所在地

大阪府大阪市都島区東野田町4-15-82 NTT西日本新京橋ビル

取扱商品

・NaNaTsu AI-OCR with DX Suite
・NaNaTsu(WinActor)
※株式会社NTTフィールドテクノはNTT西日本グループ会社です。

独自ソリューション

https://www.ntt-ft.jp/service/

ウェブサイト

https://www.ntt-ft.jp/service/product/ai-ocr/

RPAソリューションのお問い合わせ先

NTTフィールドテクノ ビジネス推進部 アライアンス担当
Mail:aiocr-support-ft@west.ntt.co.jp
TEL:06-6948-5324(平日9:00-17:00)

伊賀市概要

地方公共団体名

三重県伊賀市

所在地

三重県伊賀市四十九町3184番地

人口

90215人(2020年8月31日現在)

ウェブサイト

https://www.city.iga.lg.jp

WinActor販売特約店(伊賀市)

会社名(商号)

百五コンピュータソフト株式会社

本社所在地

三重県津市岩田21番27号(百五銀行岩田本店棟6階)

取扱商品

WinActor、DX Suite

ウェブサイト

http://www.105cs.co.jp/

RPAソリューションのお問い合わせ先

部署名:開発部
メールアドレス:ichikawa@105cs.co.jp
電話番号 :059-223-2311
営業時間:9:00~17:00

(個別に明記したものを除き、2020年10月現在)

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