RPAとは?ビジネス活用の事例も交えて簡単にわかりやすくご紹介
ビジネスシーンでRPAという言葉を耳にする機会は日に日に増えてきています。概要は知っているものの、実際にどのような効果や事例があるか、具体的にはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、RPAをよく理解したいビジネスパーソンの方向けに、あらためてRPAの概要や、RPAツール導入のメリット・効果・事例などをまとめてご紹介します。
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進が日本全体の課題にもなっているなかで、RPAの理解は必須です。ぜひ本記事を読んで参考にしてください。
INDEX
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは? どんな意味?
RPAとは「Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、ホワイトカラーのデスクワーク(主に定型作業)を、ルールエンジンやAI(人工知能)などの技術を備えたソフトウェアのロボットが代行・自動化する概念、と定義されています。
業務を代行・自動化するソフトウェア型ロボット自体のことを、「デジタルレイバー・デジタルワーカー(仮想知的労働者)」などと擬人化して呼ぶこともあります。
また、このRPAという概念を実現するツールのことを、RPAツールと呼びます。
現在、RPAという言葉が様々な形で利用されていますが、広義のRPAとはRPAという変革全体を表し、狭義のRPAというとRPAツールを表すケースが多いです。
RPAの定義では「ルールエンジンやAI(人工知能)などの技術を備えた」と説明されていますが、これは広義のRPAに関することであり、狭義のRPA(RPAツール自体)はルールエンジンで動くもの、つまりAI(人工知能)は内包していない、と整理する方が分かり易いでしょう。
RPAツールについては、日本国内では、NTTグループの開発した WinActor / WinDirectorが、シェアNo.1評価※を獲得しています。
純国産のRPAツールとして人気が高く6,000社以上の企業様が導入しております。
RPAツール導入のメリット
ではRPAツール導入によりどのようなメリットを享受できるのでしょうか。以下、RPAツールを導入するメリット4点についてご紹介します。
業務効率化・生産性向上
RPAツールをビジネスに導入することによって、大幅な業務効率化の効果が期待できます。例えば、今まで人力でやっていたチェック作業などにRPAツールを導入して自動化することで、業務スピードを格段に向上させることができるだけでなく、業務の正確さも向上することでしょう。
また、業務効率化によって浮いた時間ができるために、それまでその業務に従事していた人たちがより営業活動や事業企画などといったクリエイティブな業務に専念し、新しい付加価値を生むことに集中できます。
コスト削減
RPAツールをビジネス現場に導入し、活用することで、大幅なコスト削減を実現できます。それまでであれば多くの人手を使っていたような業務をRPAツールを利用することで完全に自動化できれば、大幅な人件費削減を期待できることでしょう。
また、紙などを出力してやっていた業務や、各種事務作業にかかっていたような費用についても削減できるでしょう。このように、RPAツールの導入は、付加価値を生まない業務への無駄なコスト削減に貢献します。
業務の正確さ向上
これまで人間がやってきた作業についてRPAツールを導入して代替することで、ルーティーン作業のような定型的な業務については間違えることはなくなります。RPAツールはプログラムなので、基本的に決まった動作については間違えることはありません。
経理における数字のチェックなどのような間違えてはいけない業務については、大きな効果を発揮します。目視や手作業で行っているような業務があれば、RPAツールの導入を検討してみても良いでしょう。
働き手不足の解消
RPAツールを導入することで、これまでルーティーン業務に忙殺されてきた人材を、その業務から解放することができます。そして、より生産的な業務に従事したり、そもそも今まで必要であったにもかかわらず手を出せなかったような重要な業務にも時間と労力を避けるようになります。つまり、人手不足を解消できるのです。
人手不足で採用が必要だった業務についても、RPAツールを導入することで、そもそも採用する必要性がなくなる業務もあるでしょう。
RPAによる自動化の動きと効果
まずは実際に、RPAが業務を代行・自動化する様子を見てみましょう。
電気店で、エアコン工事の受付に伴うバックオフィス業務を自動化した事例です。
画面の左側はコールセンターで受け付けたエアコン工事依頼管理簿で、画面の右側は工事作業者に渡す作業先指示書です。
RPAが、以下の手順で自動処理しています。
- 左側の管理簿から氏名や電話番号をコピーし、右側の指示書に貼り付けることで転記
- 地図ソフトを起動し、住所で検索、地図を拡大して範囲を指定し、該当箇所を画像形式に変換したら右側の指示書に貼り付ける
- 指示書のファイル名として、管理簿の受付番号を設定し、保存
- この一連の定型作業を、管理簿に記載された受付件数の数だけ繰り返して処理
動画を見て、いかがでしょう。RPAの速度は、人間のパソコン操作速度の約3倍です。
また、人間が1日8時間働くところ、RPAは3倍の24時間働くことができます。
つまり、RPAは、人間の3倍の速度で3倍の時間働くと考えると、単純計算では、RPA(デジタルレイバー)は人間の9倍の生産性がある(ホワイトカラー9人分の働きをすることができる)という計算になります。
RPAツールのビジネスにおける導入事例
RPAの導入事例を、業務別にいくつか紹介します。
購買業務
これは、商社にて部材の注文処理を自動化した事例で、ア~エの処理をRPAにより自動化しています。
- (ア)部材に関する注文情報を取りまとめる
- (イ)発注先メーカーのWeb型注文受付システムを開く
- (ウ)システムに注文情報を登録する
- (エ)注文報告を担当者に回答する
RPA導入以前は、この注文情報の転記入力処理は、入力に長時間を要し、入力ミスも多発していました。
あわせて、システムのレスポンスも遅く作業中に多くの待機時間が発生し、担当者のストレスも大きかったです。
以前は取引先のシステムだからと諦めていましたがRPAにより自動化したところ、これまで年間130時間を要していた作業が、30時間で完了できるようになり、入力ミスも激減する、という成果を得られました。
加えて待機時間に伴う精神的負担から解放され、担当者にも大変喜んで頂いている、という効果を導き出しています。
財務(経理)業務
これは、流通系の企業にてOCRと組み合わせて請求書の処理業務を自動化した事例で、一般事業会社からの要望が特に多い領域でもあります。
- (ア)請求書が届くと、スキャナとOCRを利用し、請求書情報をデータ変換する
- (イ)購買システムから、該当する注文時の発注データを取得する
- (ウ)請求書データと発注データを突合する
- (エ)突合の結果、データが一致していれば、支払処理へと進める。不一致であれば、担当者に確認依頼を返す。※OCRによるデータ変換ミスや、何かしらの事情で注文時とデータが変わっている可能性もあるため、不一致の場合は、人間に再確認・判断を委ねる。
- (オ)システムに注文情報を登録する
- (カ)注文報告を担当者に回答する
RPA導入以前は、財務担当者が購買システムに入っている発注データを印刷し、請求書との突き合わせを手作業で行っていましたが、RPAにより、約2割の不一致となるケースだけを確認すれば済むようになりました。
なお本案件では従来型のOCRを利用していますが、「DX-Suite」のようなAI-OCRソリューションの登場により、OCR適用範囲が飛躍的に広がることが期待できます。
人事
人事関係でも利用事例は増えています。
機微な情報を扱う難しさから、アウトソースすることもできず、人件費の高い役職者が手作業していたケースが多く、業務ボリュームがそれほど多く無くとも導入効果が大きいのが、この分野です。
本ケースでは(イ)をRPAにより自動化しています。
- (ア)社員が社員管理システムを開き、住所等の属性情報を変更する
- (イ)社員管理システムに設定された情報を取得し、影響のある社内システムに変更を一斉に反映する
人事給与・経費精算
デモンストレーション等でもよく見かけるケースですが、社員の交通費精算において、申請しているルートや金額が正しいかをチェックするという、以下の(イ)~(エ)の処理をRPAが自動で行っています。
- (ア)社員が経費精算システムに情報を申請する
- (イ)経路検索サービスを利用し、申請された駅名■カード情報の審査管理の自動化でルートを検索する
- (ウ)申請が経路検索サービスの最短・最安ルートになっているかと、検索結果と同額であるかを突合チェックする。
- (エ)一致していれば承認処理、不一致であれば差し戻し処理を行う。
おすすめのRPAツール
ビジネス現場にRPAツールの導入をお考えなら、国内シェアNo.1のRPAツール「WinActor」の導入を検討してみませんか。
「WinActor」はNTTグループが研究・開発している、完全国産RPAツールです。プログラミングが利用できないユーザー部門の方であっても使いやすいGUIになっています。Windowsで操作可能なあらゆるアプリケーションに対応可能です。
とはいえ、初めてRPAツールをビジネス現場に導入する場合には、効果的な使い方がわからないようなことも多くあるでしょう。そんな場合でも、NTTグループが培ってきたノウハウやサポートで、ユーザーの皆様をサポートできる体制が整っています。
その他、RPAを導入する上での3つの注意点
RPAを導入する際に、注意しておくべきポイントを「3つ」ご紹介します。
RPAツールの機能や価格を比較して選ぶ
RPAは製品によって機能や価格が異なります。
もちろん特長にも違いがあるため、重視したい機能や適用したい業務により、選択する製品は様々です。
RPAの導入で失敗しないためには、各社のRPAツールを機能面、提供サービス面でよく比較して選んでください。
また、RPAはそれぞれUI(ユーザーインターフェース)が異なるため、使い勝手にも差があります。
機能が豊富でもUIが分かりづらいと導入後に使いづらく感じてしまうことがあるでしょう。
その他、技術的なサポート体制は万全かなども、ぜひチェックしてください。
RPAを使う業務範囲をよく検討する
RPAを導入する前に、どんなオフィス業務を効率化・自動化したいのかを考えてみてください。
RPAは幅広い業務に対応できるとはいえ、人間が手作業したほうが向いている業務もあります。
たとえば、特定のキーワードが含まれたテキストなどを仕分けする場合、RPAに任せれば自動で作業を行ってくれます。
しかし、その他によく使われている関連キーワードや略語に気づくことができません。
一方、人間が作業を行えば、「このキーワードもよく見かけるな」と気づいてシナリオに追加できるので、より情報収集の精度が高くなります。
かといって、これらの作業には手間も時間もかかるので、業務効率化にはRPAの力が必要です。
RPAの効果を高めるには、ここまではRPAに任せる、ここからは手作業で行うと線引きをすることで、業務の質を高めることができるでしょう。
RPAは人間とロボットの業務分担を実現するツール
AI(人工知能)の発達やRPAの普及によって、人間の仕事が奪われるのではないかという懸念を抱いている方もおられると思います。
しかし、少し視点を変えて考えてみましょう。
RPAは人間の仕事を奪うのではなく、人間の仕事をサポートする存在です。
単純作業や工数のかかる業務をロボットに任せることにより、クリエイティブな業務などに注力できるようになります。
つまり、RPAは人間とロボットの業務分担を実現するツールであり、業務の負担を軽減してくれる心強い味方です。
これまで定型業務など単純作業に奪われていた時間が空けば、より満足度の高い業務に力を注げるようになるのです。
RPAに限らずツールはどう活用するかが重要といえます。第四次産業革命が進んでいる現在、RPAの導入で業務効率化や生産性向上に取り組むことは企業の利益につながるといっても過言ではないでしょう。
RPAブームの背景
では、RPAが何故これほどまでに大きく根強いブームとなっているのでしょうか。
少子高齢化に伴う労働力人口の減少や、働き方改革の要請などの社会的な背景はもちろんありますが、それだけではRPAが特別にクローズアップされている理由にはならないでしょう。
ポイントを大きく3点挙げてみます。
RPA(ソフトウェアのロボット)という概念自体
「あなたの作業に無駄があるのではないか、もっと効率化できるのではないか」と問われても、「自分は十分に効率化している、無駄なんてない」、と感じることでしょう。
しかし、「ロボットに任せたい作業はあるか」と問われれば、「あれをロボットがやってくれるなら助かるな、あれをやらずに済むなら嬉しいな」と、改善点が浮かぶのです。
ノンプログラミングのRPAは、非IT部門でも使いこなせる
従来のIT技術は、IT部門専用でした。
そのため、改善したければ改善をIT部門に要請するしかなく、IT部門の予算を超えるものや、IT部門にとって優先順位の低い課題は、IT技術の適用対象から漏れるため、現場でホワイトカラーが手作業するしかありませんでした。
一方、RPAであれば、現場のホワイトカラーが自らITによる自動化を行うことができるため、IT部門が制約とはならなくなったのです。
またIT部門にとっても、自動化のために現場から業務を巻き取る負荷が無くなるという点で、歓迎すべき技術となっています。
第四次産業革命の到来(AIによる業務の完全自動化)
現在は、AI(人工知能)や、IoT(モノのインターネット)、RPAなどの技術の発展・活用が進む第四次産業革命の真っ只中と言われています。
第四次産業革命技術の中でも、RPAは、AIやIoTに比べて分かりやすくROIも評価し易いために急速に導入が進んでいるといえるでしょう。
また、これに関連し、もうひとつの理由が挙げられます。
RPAのロードマップは、RPA発展の3段階として整理されています。
- 第一段階はルールエンジンによる定型業務の自動化
- 第二段階は少しAI要素が加わった高度な自動化
- 第三段階はAI技術の完成に伴う完全な自動化
というのが大よその定義です。
現在は第二段階目に入り始めたところですが、遅くとも2030年前半には労働人口の49%が自動化されると予測されていることから逆算すると、第三段階目になるのが2030年前半ということになります。
ゴールが不明確なIT化や改善活動と違い、残り約10年で完全自動化の世界が到来すると思えば、今すぐにでもRPAによる自動化を始めなければならない(自分達だけ自動化の波に乗り遅れる訳にはいかない)という心理も働くのではないでしょうか。
RPAとは?業務効率化ツールの一つ
以上、RPAツールの概要や、ビジネスで使う上でのメリット、ビジネス現場での導入事例などについてご紹介しました。
RPAとは、「Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、端的に言えば、ルーティーン業務などを自動化できるツールです。業務効率化やコスト削減、その結果としての人手不足の解消など、さまざまなことに役立ちます。
RPAツールの導入シーンも多様です。購買業務や経理業務、人事業務など、さまざまな現場で導入可能です。
RPAツールを導入するなら、国内シェアNo.1の「WinActor」がおすすめです。導入をご検討されている方はぜひお問い合わせください。
FAQ
RPA「WinActor」は、どのような業務に活用できますか。
原則として、Windows上でのすべての作業でご利用いただけます。 具体例として、受発注情報の基幹システムへの登録や、複数システム間の情報連携、ソフト開発での検証作業等での利用実績がございます。
RPA「WinActor」は、どのくらいの稼動削減の効果がありますか。
業種や対象のデータ、文書によります。お客様による実証実験では、RPA「WinActor」を利用することで、実験の対象とした業務について最大99%の削減が可能となったケースもございます。導入事例はこちら
RPA「WinActor」が実際に動作している様子を見られますか。
担当者がお伺いしてデモを実施いたします。製品のお問い合わせよりご相談ください。また、各種展示会やイベントにも出展をしております。出展イベント情報についてはニュースをご覧ください。
RPA「WinActor」はどのような特長がありますか。
WinActorのシナリオはフローチャート図として表示されます。フローチャート図は直感的な操作で編集できますので、シナリオの微修正、チューニングであれば、プログラミングの知識がなくても対応ができます。詳しくはWinActorの製品説明をご覧ください。