RPAに向いている業務と向いていない業務【対象業務の選び方も解説】

RPAの導入を検討している方が悩むポイントとして、以下のような悩みがあります。
- RPAの導入を検討しているがどういう業務に向いているのか
- 向いていない業務はどういったものなのか
まだまだRPAは浸透しておらず馴染みが少ないため、こういった疑問を持つ方は多くいます。
そこで本記事では、「RPAに向いている5つの業務」、「RPAに向いていない2つの業務」をご紹介します。
本記事を読んでいただくことで、RPAがどういった業務に向いているのか、向いていないのかをイメージ出来るようになると幸いです。
目次
RPAに向いている5つの業務
RPAはさまざまな業務を自動化でき、特に「単純かつ定型の業務を自動化/効率化すること」を得意としています。その得意なことを活かすことが出来るのは以下の5つの業務です。
- その①:決められたことを繰り返し行う定型業務
- その②:大量データの処理
- その③:データ収集・集計・加工
- その④:複数アプリケーションでの同時処理
- その⑤:問い合わせ対応
1つずつ解説していきます。
その①:決められたことを繰り返し行う定型業務
RPAは手順が決められている単純かつ、定型の業務の自動化を得意としています。
具体的な例を挙げると以下のような業務が当てはまります。
- 伝票内容をシステムへ転記する
- 複数のシステムから情報を取得して、1つにまとめる
業務を行う上でマニュアルがあって、書かれている通りに判断/処理する業務であればRPA化できます。
決められたことを繰り返し処理し続けるのは人間の苦手な分野ですが、逆にRPAは得意としている分野です。
その②:大量データの処理
RPAは、大量データの処理を得意としています。
入力やデータ加工を行う作業スピードについて人間とRPAとで比較すると、RPAのほうが早く処理できます。
さらに、労働時間に関係なく実行することが可能であり、深夜や早朝などの業務時間外でも継続して処理を続けることが可能です。
また、入力処理の正確さもRPAのほうが高く、入力ミスおよび、入力ミスから発生する手戻りや業務影響がなくなります。
このような大量データの処理はRPAが向いています。
その③:データ収集・集計・加工
RPAはデータの収集とその集めたデータの集計/加工を得意としています。
データ収集では、以下のような情報の取得処理をRPAに任せることができます。
- Web上で販売されている商品の価格
- 為替相場や株の価格
- 自社に関連するニュース
また、取得したデータをExcelに貼り付けて、社内メンバーへメールで展開するというようなことまですべてを、RPAで自動化できます。
これらの処理をスケジュール化することで毎日、毎週、毎月などの希望のタイミングで自動的に処理させることができます。
その④:複数アプリケーション間での同時処理
RPAは、既に用意されているシステムの機能をそのまま操作/利用できるかつ、複数のアプリケーションを同時に使って処理を進めることが得意です。
具体的には以下のような業務です。
- 受信したメールの内容をExcelへ転記する
- Webで確認したデータを基幹システムへ登録する
- 複数のシステムからデータを取得して報告書をまとめる
日常業務ではメールやExcel、Webブラウザ、基幹システムなど複数のアプリケーションを使って処理を行っていくことが多いです。これらを使った業務を1つのアプリケーション内にとどまらず、複数のアプリケーションをまたいで自動化できることがRPAの強みとなります。
その⑤:問い合わせ対応
RPAは就業時間に制限されず、24時間ずっと動くことができるため、顧客からの問い合わせがいつ来たとしても返答できます。
RPAを以下のように利用することで、RPAと人間が共同で問い合わせ対応を行うというハイブリッドな運用が実現できます。
- よくある問い合わせの場合:RPAのロボットが判断した上で自動返信を行う
- 上記以外の場合(RPAで判断が難しいケース):担当者へメールやチャットなどでエスカレーションする
RPAを導入することで、問い合わせ対応に使う作業時間を減らして、人にしかできない業務にシフトできます。
RPAに向いていない2つの業務
RPAを導入することで大きな効果を生み出せる一方で、導入しても効果が出にくいRPAに向いていない業務もあります。
RPAに向いていない業務は以下の2つです。
- その①:都度判断が必要な業務
- その②:複雑な処理が求められる業務
1つずつ説明していきます。
その①:都度判断が必要な業務
毎回状況が違って、都度判断が求められる業務はRPA化することは向いていません。
上記でもお伝えした通り、マニュアルが作れるほど判断基準が明確になっている業務はRPA化に向いています。
ただ、数字だけでは判断できない、そもそも数値化できないような情報を見て判断する業務では、判断基準が不明確になるためRPA化することが難しいです。
上記のような都度判断が必要なケースでは、判断する業務のみ人間が処理し、それ以外をRPA化するケースが多いです。
その②:複雑な処理が求められる業務
明確な基準はあるものの、実装するケース(分岐)が多すぎて複雑になっている業務もRPA化に向いていません。
実装するケース1つずつは単純で簡単だったとしても、それぞれの処理毎にロジックを作る必要があるため、メンテナンスが大変です。
また、ルールが多すぎると確認が難しくなり、手順が誤っていたとしても気づけない場合があります。
こういった複雑な業務をRPA化する場合は、業務のパターンの見直しと、シンプル化を実施してからRPAを導入すると効果が出やすいです。
RPA化の対象業務を選ぶ方法
ここからは、実際にRPA化する業務の選び方についてお伝えします。
RPA化する業務を選定する方法は、以下①~③のステップを順番に進めていくと失敗を少なくできます。
- ステップ①:現行業務の洗い出し
- ステップ②:自動化出来そうな業務の選定
- ステップ③:自動化対象業務の決定
1ステップずつご紹介していきます。
ステップ①:現行業務の洗い出し
まずは、日常的に行っている業務を洗い出し、普段からどういった業務を行っているのかを洗い出していきます。
洗い出す際には以下の業務が見落としがちになるため注意が必要です。
- 定型的なデータ抽出
- 決まりきったメールの返信
RPAは上記のような単純かつ、定型的な処理を得意としています。
人だと簡単すぎて洗い出しから漏れがちになるすべての工程を意識して収集することを心がけてください。
なお、業務を洗い出す際には、その業務では何をしているのか誰でもわかるように、業務概要や業務フローを簡単でもよいので書いておくことをおすすめします。
ステップ②:自動化出来そうな業務の選定
現行業務の洗い出しが完了したら、その中から自動化が出来そうな業務を選定します。
大前提として、RPAはパソコン上で動かすため、パソコンで作業をする業務である必要があります。
その上で、業務手順が決まっていれば自動化できます。
RPA化できるか判断する方法の1つとして、その業務にマニュアルが存在するかどうかで判断ができます。
マニュアルがある=手順や処理ルールが決まっているためです。
上記のような観点から、自動化できそうな業務を選定してください。
ステップ③:自動化対象業務の決定
自動化が出来る業務の選定ができたら、RPAの導入効果が高い業務かを確認します。
RPAを導入して特に効果が出やすいおすすめの業務は、以下の特徴がある業務です。
- 単純かつ簡単な処理を繰り返す
- 大量データの処理
上記は、人が処理すると長時間同じ作業を繰り返すことで、飽きや疲れが出てミスが発生しやすい業務です。
RPAは疲れることがなく、1つずつ着実に処理を進めていきます。
人とRPAに明確な差が出る業務なので、RPA化におすすめの業務です。
まとめ
ここまで、「RPAが向いている業務/向いていない業務と、業務の選び方」についてご紹介しました。
RPAは得意分野の業務へ導入することで効果を発揮します。
ただ、実際にどういった業務で活かしやすいかは使ってみないとわからないことも多いです。
そのため、まずは無料体験を通じてRPAはどういったことが得意なのかを試してみることがおすすめです。
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RPAを導入すると効果が出そうな業務を決めて、自動化/効率化を進めていきましょう。
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