RPAを経理に導入するメリット&活用事例【3つのインタビュー事例】
政府による働き方改革の一環で労働時間の削減が求められており、さまざまな会社で対応が検討されています。
労働時間の削減や生産性向上という観点で注目を集めているのが「RPA」です。
RPAは定型的な業務を自動化/効率化することができるため、経理業務での導入が積極的に行われています。
そこで本記事では、どういった経理業務をRPAで自動化できるのかという内容を中心に、以下の内容をご紹介します。
- RPAで自動化できる経理業務
- 経理業務にRPAを導入するメリット
- 経理業務にRPAを導入した事例
ぜひ本記事を読んで頂き、RPAを経理業務へ導入するメリットや自動化の内容を理解いただけると幸いです。
INDEX
RPAで自動化できる経理業務
経理業務の中核は、「お金の出入り」を管理する会計業務です。
会計業務における「財務会計」と「管理会計」、それぞれRPAでどういった自動化/効率化ができるのか詳細をご説明します。
財務会計における自動化
財務会計は決算に必要な資料(決算書や貸借対照表、損益計算書)を作ることと、それに必要な日々のお金の管理をすることが主な仕事です。
日々のお金の管理には以下のような業務が発生します。
- 商品を仕入れた数と金額をシステムへ入力
- 紙で注文された内容をスキャンしてシステムへ取り込む
- 支払った金額をシステムへ入力
上記のような入力作業は、単純ながらも件数が多いため、多く時間が必要です。
RPAは上記のような単純かつ、定型の業務を処理することが得意で、効果を発揮しやすい業務です。
管理会計における自動化
管理会計は経営者が経営の判断や業務改善を行うために、必要な売上や利益、費用などの状況を把握するためのものです。
管理会計では会社ごとに決められたフォーマットで、毎月や毎週、定期的に作成し、経営者が確認しています。
「定期的に、定型で作成する業務」はRPAの得意領域です。
また、RPAはスケジュールを設定しておくことで、定期的に作成することもできるため、資料作成する業務を完全に自動化することができます。
経理業務にRPAを導入するメリット
経理業務はRPAとの相性が良く、導入すると効果が出やすい業務の1つです。
経理業務をRPAにより自動化/効率化することで得られるメリットは、大きく分けて以下の3つがあります。
- メリット①:業務のスピードアップ
- メリット②:ヒューマンエラーの削減
- メリット③:コア業務へのリソース集中
メリット①:業務のスピードアップ
1つ目は「業務のスピードアップ」ができることです。
経理業務に慣れることで人の処理スピードは徐々に早くなっていきますが、RPAの処理速度には追いつけません。
始業直後は集中力や体力があるため、処理スピードは早いですが、昼や夕方になると疲れがたまってスピードが次第に落ちていきます。
一方でRPAは処理速度を落とすことなく、常に早いスピードで処理し続けることができ、さらに、休憩も不要なので、よりいっそう業務のスピードアップが見込めます。
メリット②:ヒューマンエラーの削減
2つ目は「ヒューマンエラーの削減」ができることです。
経理業務はお金を扱うため、数字1つの入力ミスも許されません。
とはいえ、人はどれだけ気をつけていたとしても、入力ミスが必ず発生します。
そのため、入力ミスを防ぐためにダブルチェックなどの業務ルールが存在しています。
また、同じような業務を繰り返し実施していると、集中力の欠如によりミスが増えやすくなります。
一方、RPAの場合は、同じような業務を繰り返したとしても、あらかじめ決めたルール通りに正確に処理をするためミスはありません。
RPAを導入することでヒューマンエラーを大幅に削減できます。
メリット③:コア業務へリソース集中
3つ目は「コア業務へリソース集中」できることです。
コア業務は会社の中心業務、つまり売上/利益を生み出す業務を指します。
経理業務で行うような伝票入力などは誰でもできる単純かつ、定型な作業が多く、これらの業務をRPAに処理させることで、メンバーの時間を確保し、人にしかできない分析業務や、費用を減らすための戦略立案などに時間をあてることができます。
経理業務にRPAを導入した事例
ここからは、実際に経理業務にRPAを導入した事例を3つご紹介します。
- 事例①:毎月送付する見積書/請求書メール送信の効率化
- 事例②:半年に1回、7人体制で行う単価訂正作業の自動化
- 事例③:複数システムのデータを使う報告書作成の自動化
どの企業もRPA導入の効果を実感しており、他の業務へも展開予定です。
1つずつご紹介していきます。
事例①:毎月送付する見積書/請求書メール送信の効率化
株式会社KSKでは、毎月締めのタイミングで多くの取引先や協力会社に請求書や見積書をメールで送信する業務があります。
RPAを導入する前は、膨大な量の送信をミスなく送信するために、三重チェックの体制で行うプレッシャーがかかる業務でした。
RPAを導入した後は、メール作成に必要な情報をExcelにまとめておき、メールをRPAが自動で作成するように業務変更をしています。
その結果、チェック担当の人員を3人から1人へ削減したほか、担当者の精神的な負担の軽減へつなげることができました。
参考記事:WinActor®導入事例【株式会社KSK】ミスの許されない業務にロボットを適用、正確で迅速な処理により、累計10,000時間超の業務効率化と、従業員のプレッシャー軽減に成功
事例②:半年に1回、7人体制で行う単価訂正作業の自動化
三井物産株式会社では、半年に1度発生する単価を訂正する業務があります。
RPAを導入する前は、締め切り時間を意識する作業を7人で合計130時間かけて、手入力およびチェックを行っていました。
RPAを導入した後は、Excelで作ったリストを基にRPAに単価訂正をさせることで、以下を実現することができました。
- 作業時間の短縮(130時間から30時間)
- 入力ミスの削減
- 担当者の精神的な負担の軽減
参考記事:WinActor®導入事例【三井物産株式会社】入力作業が年間130時間から30時間に短縮 定型作業のRPA化で”攻めのIT経営”を実践
事例③:複数システムのデータを使う報告書作成の自動化
東京ガス株式会社では、利用者へ渡すための明細報告書を作成する業務があります。
RPAを導入する前は、明細報告書を作成するために社内の複数システムへログインして情報を取得し、まとめるという単純ながら時間のかかる作業を手作業で行っていました。
RPAを導入した後は、明細報告書を作成するための情報取得および、報告書そのものの作成を自動化することにより、年間270時間の工数を削減することに成功しました。
参考記事:WinActor®導入事例【東京ガス株式会社】「東京ガス」様×「WinActor」=「業務改革の源泉」
RPAを経理業務へ導入する際に重要な3つのポイント
上記でも紹介しましたが、経理業務はRPAが効果を出しやすい業務の1つです。
その効果を最大化するために、以下3つのポイントを意識して導入することが重要になります。
- ポイント①:業務を洗い出して可視化する
- ポイント②:RPAの運用方針を明確にする
- ポイント③:無料体験から小さくはじめる
1つずつ紹介します。
ポイント①:業務を洗い出して可視化する
RPAを導入するためには、業務フローを作成して可視化することが重要です。
業務を可視化することで、業務の全体像が把握できますし、どの業務をRPA化するのかを明確にできます。
一方で、業務フローが正しく作成できていない状態でRPAを導入すると、業務の抜け漏れが発生して自動化が不完全な状態になってしまうことがあるため、注意が必要です。
ポイント②:RPAの運用方針を明確にする
RPAを導入して得られる効果を継続して生み出していくためには、日々の運用が重要になります。
以下の運用方針は明確にしておく必要があるため、事前に検討しておくことをおすすめします。
- RPAのメンテナンス方法
- RPA化する業務に関する資料作成方針
- RPA処理エラー時の対応
運用方針が決まっていない状態でRPAを使いはじめると、トラブル対応だけで手一杯となり、効果が出ないケースが多くあります。
効果が出ないと社内でRPAが使われなくなるため、安定運用をするためにもルールは重要です。
ポイント③:無料体験から小さくはじめる
RPAの導入には費用がかかり、安い買い物ではありません。
RPAはまだまだ認知されていない技術であることと、導入して効果が出るかわからないものについて、多くの費用を出せないのが実情です。
また、一度に複数の業務をRPA化すると、何かあった時に対応しきれず、業務上の影響が発生する場合もあります。
そのため、まずは無料体験を使って、簡単な業務からRPA化を進めることがおすすめです。
※なお弊社のWinActorでは「1ヶ月の無料トライアル」を準備しており、気軽に試すことができます。フル機能を無料で体験可能なので、興味のある方は「>>RPAツール”WinActor”の無料トライアルページ」をご覧ください。
以上、「RPAを経理業務で導入するメリットと活用事例」をご紹介しました。
経理業務はRPAが効果を発揮する得意分野の1つです。またどの企業でも経理業務は存在しており、事例もたくさんあることから比較的導入しやすいです。
経理業務の単純かつ定型的な作業を見つけ出し、RPAを活用して自動化/効率化を進めていきましょう。
FAQ
RPA「WinActor」は、どのような業務に活用できますか。
原則として、Windows上でのすべての作業でご利用いただけます。 具体例として、受発注情報の基幹システムへの登録や、複数システム間の情報連携、ソフト開発での検証作業等での利用実績がございます。
RPA「WinActor」は、どのくらいの稼動削減の効果がありますか。
業種や対象のデータ、文書によります。お客様による実証実験では、RPA「WinActor」を利用することで、実験の対象とした業務について最大99%の削減が可能となったケースもございます。導入事例はこちら
RPA「WinActor」が実際に動作している様子を見られますか。
担当者がお伺いしてデモを実施いたします。製品のお問い合わせよりご相談ください。また、各種展示会やイベントにも出展をしております。出展イベント情報についてはニュースをご覧ください。
RPA「WinActor」はどのような特長がありますか。
WinActorのシナリオはフローチャート図として表示されます。フローチャート図は直感的な操作で編集できますので、シナリオの微修正、チューニングであれば、プログラミングの知識がなくても対応ができます。詳しくはWinActorの製品説明をご覧ください。