TOP導入事例WinActor導入事例【株式会社KSK】ミスの許されない業務にロボットを適用、正確で迅速な処理により、累計10,000時間超の業務効率化と、従業員のプレッシャー軽減に成功

WinActor導入事例【株式会社KSK】ミスの許されない業務にロボットを適用、正確で迅速な処理により、累計10,000時間超の業務効率化と、従業員のプレッシャー軽減に成功

株式会社KSK 管理本部 システム・設備統括室 リーダー 角岡 祐治氏(右)と、スペシャリスト 前田 晃江氏

 

2019年で設立から45周年を迎えるIT企業、株式会社KSKは、半導体および半導体組み込みシステムの開発を行うシステムコア事業、ソフトウェア開発を行うITソリューション事業、情報システムのネットワーク構築などを行うネットワークサービス事業の3つを中心にビジネスを展開している。約1,850名の社員は、その7割が得意先に常駐し、保守やシステム構築にあたっている。

 

同社で「WinActor」の運用が始まったのは2017年8月。現在、経営企画担当、経理担当、人事担当などの間接部門を統括する管理本部での利用を進め、業務品質の向上に役立てているという。その詳細を管理本部システム・設備統括室のリーダー、角岡 祐治氏と、同室スペシャリストの前田 晃江氏に伺った。

 

「業務品質の向上」を実現するツールとしてRPAに着目

そもそものきっかけは2017年4月、得意先に常駐している社員の一人が上げてきた、「気付き日報」と呼ばれている業務報告に、「ロボット」という言葉が記載されていたことだった。

 

角岡氏「それを当社の社長が目に留め、我々システム・設備統括室に「ロボットとは何なのか」「どのようなメリットがあるのか」を調べるよう、指示が下りました。」

 

調査にあたった角岡氏は「ロボット」とは「RPA」のことであると知り、当時は角岡氏自身RPAについては知識がなかったが、調べるうちに「これはもの凄いものなのかもしれない」と思うようになったという。

 

角岡氏「当社では予てより「品質向上プロジェクト」という取り組みを行っています。これは自分たちが日々行っている業務の“正確性”と“迅速性”を高めることを目的とする活動です。管理本部には、ミスがあればやり直しの時間がかかったり、直接部門の現場に迷惑をかけたりすることになる業務が多いのですが、RPAはまさにこうした課題や時間外業務などの問題を解決し、業務の品質向上を実現できるツールだと気づきました。」

 

角岡氏はすぐに管理本部長や社長に「試してみる価値がある」と報告し、2017年6月には導入に向けての動きを始めた。まず管理本部の各担当に「PCで行う反復・定型作業を、ミスなく自動化できる」というRPAの特長を示した上で、自動化できそうな業務がどのくらいあり、どのくらいの作業時間が削減できそうかの見込みをアンケートで調査した。結果はRPA化できると思われる業務数が189件、削減時間の見込みは9,200時間にもなったという。

 

「自分たちでつかいこなせるもの」として「WinActor」を選定

あわせてツールの選定にも取りかかった。「自分たちで使いこなせるもの」というのが最大の条件だった。

 

角岡氏「我々間接部門にはそれほどITに詳しくない人も多いので、分かりやすいものであることがツール選定のポイントでした。候補を3つに絞ってそれぞれデモを見せていただいたのですが、画面が一番分かりやすく、シナリオ作成もフローを描くように行える「WinActor」の採用を決めました。UIが日本語だったということも大きなポイントでした。」

 

当初、ロボットの開発・運用は、実際にRPAを利用する各担当に任せようと考えていた角岡氏だったが、「専門の組織をつくるべきだ」という社長からの提言を受け、システム・設備統括室内にRPAセンターを発足させた。開発担当者には、ITソリューション事業部に所属していた「バリバリのエンジニア」(角岡氏)、前田氏が着任することとなった。

 

初心者講習を利用して、社員が抱くRPAへの「心のハードル」を下げる

体制としてはRPAセンターが各担当向けのロボットの開発から配布、管理までを一極集中で手がけることになったわけだが、角岡氏は「WinActor」販売パートナーであるネクストウェアに依頼して、あえて一般社員向けの有償トライアル(初心者講習)を実施することにした。角岡氏はこの講習を、社員の意識改革のきっかけにしたかったと言う。

 

角岡氏「自動化で自分たちの仕事がロボットに取ってかわられてしまうのではないか」と心配する社員が出るかもしれないと想定し、RPAに対する心のハードルを下げようと考えた。そこで講習には各担当の管理職(課長クラス)に参加してもらい、「組織としてRPAを推進する。RPAを活用して現場の業務を管理本部に集約するので、管理本部はさらに忙しくなるかもしれない」という意思が、社員全体に明確に伝わるようにしました。またある程度ITに詳しく、RPAに対してポジティブな印象を持っている社員にも参加を依頼しました。彼らがRPAのメリットを理解してくれれば、他の社員を啓発してくれると考えたからです。」

 

このような「気遣い」とも言える浸透策により、一部社員が持っていたRPAへの抵抗感は薄まっていき、2017年8月、いよいよRPAセンターが稼動を始めた。

 

現場と管理者、それぞれに適した方法で自動化ニーズを吸い上げ

自動化業務の選定にあたっては、2つの方法が採られた。ひとつは社員からダイレクトにニーズを拾う方法で、2013年から実施している「サクサク提案運動」の仕組みを利用したものだ。時間外業務削減や効率化のための改善案を、投書形式で誰でも簡単に提案できる「サクサク提案運動」は、当時、開始から4年が経過しており、社内にも根付いていた。この投書の中に「RPAで自動化して欲しい」と思う業務を気軽に書いてもらうことで、現場の意見を吸い上げやすくした。

 

もうひとつは以前行ったアンケートと同様のものを、再度、管理職から集めるという方法だ。集計の結果は前回とほぼ同じで、累計10,000時間を超える削減が見込めるということが確認された。なお、この時に使用されたアンケートシートには、自動化を希望する業務内容の他、後々測定することになる効果まで書き込めるようにして、PDCAの管理までをこのシートで行えるように工夫が凝らされている。

PCDAまで考えて作られた自動化管理シート。これを自動化対象業務の選定・効果測定などに役立てた。

PCDAまで考えて作られた自動化管理シート。これを自動化対象業務の選定・効果測定などに役立てた。

 

開発第1号は、迅速性が求められる「安否確認メール」のデータ更新ロボット

以降はこれら投書やアンケートで寄せられた自動化要望の中から、RPAセンターが実現性や効果の期待度の高いものを選んで、ロボットの開発を行っていった。

 

前田氏「開発前には改めて業務内容のヒアリングを行い、時には業務フローや帳票類の変更を提案しながら、RPAのシナリオに落としていきます。業務負荷を減らしてあげたいという思いから、変更提案が大胆になることもあります。」

 

開発初期に完成させ、担当者から好評を得たものの一つが、「安否確認システムに異動情報を自動で反映する」ロボットだ。社員の多くが得意先に常駐している同社の場合、災害時の安否確認にはメールを利用している。いつ起こるともしれない災害のために、その配信リストは常に最新のものにしておく必要がある。

 

従来は担当者が人事システムにログインして、入退職や異動の情報をCSVで書き出し、適切な加工を施した上で、安否確認システムに読み込ませるという方法が採られていた。人事システムが書き出したCSVのままでは、安否確認システムで読み込みができないからだ。変更箇所が少ない場合は、書き出したCSVを見ながら直接、安否確認システムに入力した方が早いこともあったという。

 

角岡氏「最近は大きな地震が多いこともあり、データ更新の迅速化が急務となっていましたが、従来の方法では繁忙期などに異動日・入退職日と、安否確認用データ更新日との間にズレが発生したり、入力ミスが生じてしまったりすることがあります。そこでこの確認・更新業務を「WinActor」で自動化しました。」

 

前田氏「具体的には、人事システムへのログイン、CSVのダウンロード、安否確認システム用のデータ変換と読み込み、更新処理の実行までをロボットにやらせています。私が最初につくったロボットでしたが、3~4日で完成させることができました。「WinActor」には自動処理の部品が揃っていて、ドラッグ&ドロップするだけでシナリオがつくれますし、各部品が行っている処理内容をコードとして表示させることもできるので、とても分かりやすいですね。」

 

メールの誤送信を防ぐロボットで、約2,500時間の効率化と心理的負担の軽減に成功

こうしたリアルタイム性が求められる作業だけでなく、より正確性が求められるシーンに活用されるロボットも開発されている。それがメールの作成・確認用のロボットだ。

 

角岡氏「経理・会計の担当では毎月締めの時期に、多くのお客様や協力会社に見積書、請求書などをメールで送信する必要があります。膨大な数の送信を間違いなく行うために三重の確認をしており、担当者にはプレッシャーがかかる業務でした。」

 

この作業負荷を軽減するために前田氏は、送信するメールを自動作成するロボットを開発した。

 

前田氏「まず担当者が宛名、メールアドレス、メール本文(定型文)、添付ファイルのパスをExcelでリスト化しておき、それをロボットに読み込ませます。ロボットはリストに従って、Outlookで膨大な数の送信メールを作成する、というのが大まかな働きです。Excelのリストに入力ミスがある場合も考えられるので、最後の確認と送信は、担当者が行うようにしてあります。このロボットで、チェックを行うスタッフを3人から1人にまで減らすことができるようになりました。」

 

メールの誤送信防止ロボット

 

そもそも請求書・見積書の送付用に開発されたロボットだったが、後々「どんな内容のメールにでも利用できると気づきました」と、角岡氏は言う。同社には他にも重要度が高いメールを繰り返し送信する作業が多く、現在では誤送信をなくすために、そうした繰り返しの送信作業時には必ずこのロボットを利用することが決められているという。

 

角岡氏「メールの送信前に、人が何度も行っていた確認作業の手間と時間は、以前に比べ約2,500時間も削減されました。担当者の心理的負担の軽減にも役立っています。」

 

RPAで効率化された時間・労力を、さらなる現場サポート強化に

またこのロボットには、添付ファイルの作成自動化、つまり「パスで指定されたファイルを圧縮し、パスワードをかける」というシナリオが含まれているが、この部分だけを切り出した利用方法も生まれた。複数のファイルにパスワードを掛けて保管するという作業は、他の業務でもしばしば発生していたためだ。

 

このように特定の業務に特化せず、作業内容が共通していれば利用できるロボットは、他にも「Excelのブックからシートを切り分けるロボット」など数本が開発されている。同社ではこうしたロボットを「汎用RPA」と呼び、各担当部門に置かれた実行端末で利用できるようにした。誰もがよく行う作業を手軽に自動化できるようにしたことで、より多くの社員にRPAのメリットを体感してもらえる機会が増え、抵抗感はいっそう少なくなっているという。

 

2018年末の段階で、同社で稼動するロボットは、作業削減時間は当初見込んだ累計10,000時間を超えた。この実績は社内でも高く評価されている。また前田氏はRPA 技術者検定でエキスパートの資格を取得し、RPAをさらに浸透させていくことに意欲的だ。社内でのRPA認知と、それを推進する技術が揃ったことになる。角岡氏は今後のRPA活用について、こう語ってくれた。

 

角岡氏「今後も「WinActor」で継続的な正確性・迅速性の向上を目指していきますが、我々、間接部門のサポート対象は、飽くまで自社の直接部門です。効率化で生まれた時間は、直接部門の現場で働く社員のさらなる負担軽減に役立てる方向で利用していきたいと考えています。」

 

会社概要

会社名(商号)

株式会社KSK

本社所在地

東京都稲城市百村1625番地2

設立

1974年5月23日

会社紹介

システムコア事業、ITソリューション事業、ネットワークサービス事業を中心に、「ITのトータルソリューションパートナー」として幅広くビジネスを展開。現在国内に10の拠点と3つの関連企業を擁している。

ウェブサイト

https://www.ksk.co.jp (外部リンク)

 

「WinActor」販売パートナー

会社名(商号)

ネクストウェア株式会社

本社所在地

東京都港区南麻布5-2-32 興和広尾ビル

会社紹介

東名阪の自社拠点を軸として、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国のお客様に対し、IOT&ビッグデータ・クラウド導入に関するコンサルティング及びシステムアウトソーシング、ソリューションのサービスを展開。
RPAについても、いち早くNTTデータとの協業、導入展開を開始。数多くの導入実績とそれらに裏付けされた確かな技術力を誇る。(RPA検定エキスパート合格者数:14名 ※2019年1月現在) また、WinActor特約店代行会社として新規特約店様のRPA事業のスタートアップも支援している。

ウェブサイト

https://www.nextware.co.jp(外部リンク)

2019年3月14日現在)

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