デンソー | デンソーがグループ企業向けのRPAユーザー会を実施、Zoom活用で800人が参加する一大イベントに
WinActorをご採用いただいている企業数は6,000社を突破、様々な業務の効率化にお役立ていただいています。自動車部品の開発・販売をグローバルに手がけるデンソーグループも、そのひとつです。同グループでは業務効率化の一手段であるRPA(WinActor)利用の活性化を図るべく、2020年11月にZoomウェビナー形式で、「デンソーグループRPAユーザー会 #1 ~ロボットを味方に付け業務改善を加速しよう!~」を実施しました。RPAによる業務効率化への関心は高く、国内グループ25社、約800名が参加する一大イベントとなりました。
グループ内に「よくある業務」の効率化事例で、関心を呼び起こす
デンソーグループでは現在、約300のロボットが稼働し、その1/4が基幹システムにアクセスしているということです。冒頭ではその中から3つの具体的な事例と効果を、シナリオ開発にあたったご担当者が、デモを交えて紹介しました。
一つめは国内経費精算の自動化、二つめは交代勤務やパート社員の勤務登録の自動化、三つめは資材発注申請の自動化です。
いずれの事例も、従来は手作業で専用のシステムに入力していた内容を、一旦Excelでつくった統一フォーマットに集約し、それをWinActorでシステムへ転記するというプロセスに変えることで、入力ミス防止や手間を省けるようにしたものです。効果の大きなものでは700時間の“創出”につながっているとのことでした。効率化された時間を“削減”ではなく“創出”と呼んでいるところに、「この時間を新たな業務に役立てよう」という意気込みが伺えます。
同様の業務はグループ内の様々な現場で行われているため、関心を持って視聴された方も多かったようで、視聴者からは「そうしたシナリオづくりには、どのくらいの素養が必要か」「WinActorの操作習得にはどのくらいの時間がかかったか」などの質問がオンラインで寄せられ、発表者それぞれが回答されていました。
導入前の検討段階から、開発・運用時にも役立つ情報をまとめたポータルサイト
RPA事務局(ITデジタル本部 データ活用推進室)からは、グループ各社・各現場が自動化に取り組むにあたって、RPA事務局が提供している支援策が紹介されました。
まず事務局の伊藤 逸也 担当係長より「RPAは数ある業務効率化手段の一つです。業務効率化を考えた時、まずは業務改廃やプロセス改善を考えていただくことが重要です」と、安易にRPAに飛びつくことへの注意が喚起されました。そして「やめる、へらす、かえる」の順番で業務をふるいにかけ、残ったものをRPAやワークフロー、BIなどのツールへ移行させるというアプローチ方法の確認がなされました。
支援策として最初に採り上げられたのは、SharePoint Onlineのサイト「RPAサークル」です。同サイトには、RPAの概要や導入手順といった基礎から運用に至るまで、様々な情報・ノウハウがまとめられています。導入事例紹介コーナーでは、グループ内で本稼働しているシナリオ約60本が公開されており、希望する部署が転用したり、開発の参考にしたりすることも可能です。こうしたシナリオ・ライブラリは、グループ全体でスピーディな自動化を進めるのに大きな効果がありそうです。
グループ内のRPAに関する情報がまとめられたサイト「RPAサークル」
またシナリオ開発者・運用者が目を通すべき厳格なルールも、このサイトに掲示されています。ロボットに必要以上の権限を与えてしまうことで発生しかねないセキュリティリスクや、品質の良くないシナリオが繰り返し使用されることで、不良成果物を大量に生んでしまうリスクなどを予防するために決められたルールです。特に基幹システムにアクセスして作業するロボットを作る際には、ルールを遵守した開発・運用が行われているかどうかをチェックするために、開発前と稼働前に主管部署の承認を受けることも決まっています。さらに年に2回、この承認を受けずに基幹システムにアクセスしているロボットがないかの確認作業も行われているとのことで、何重もの安全策が採られていることが分かります。
困ったことを相談できる窓口の存在が、開発・運用の安心感に
シナリオ作成中、技術的な壁にぶつかった場合には、WinActorの教育プログラム開発にも携わっているパートナー企業・ヒューマンリシアの協力の下、随時メールで相談できる「RPAヘルプデスク」と、週に一度、Zoomを用いてエンジニアに困りごとを相談できる「RPA駆け込み寺」という相談窓口が用意されていることが紹介され、「駆け込み寺」については、分かりやすいデモンストレーション映像が配信されました。
この映像は、社内のシナリオ開発者がZoomを通してエンジニアと“対面”し、WinActorのシナリオ作成画面の共有やリモート操作などを使って、技術的な困りごとを相談する様子をリアルに写しだしたものです。会話と画面でコミュニケーションを取りながらテクニックを教えてもらったり、アドバイスをもらえたりするため、相談者はストレスなく問題の解決に辿りついていました。
こうした丁寧な支援があることは、シナリオ開発に取り組もうという人の安心感やモチベーション、開発スキルの向上につながっていくでしょう。
※ユーザー会により相談に対する心理的障壁が下がり、約1か月先まで相談の予約が埋まったとのことです。 なお「ヘルプデスク」や「駆け込み寺」へ寄せられた相談やその解決策は、今後「デンソーRPAナレッジ(仮)」として蓄積され、「RPAサークル」サイトなどを通じてグループ内で共有されるとのことです。
Zoomやリモート操作を駆使して問題解決を支援する「RPA駆け込み寺」の様子
支援策全体を通じて、WinActorを効率的かつ安全に活用・展開するための情報や技術の共有、ルールの明確化、個別の教育などがバランスよく採り入れられていることが、読者の皆様にもお分かりいただけたと思います。
ユーザー会ではその後、WinActorとの連携で自動化の領域拡大に効果のあるAI-OCRの紹介(ヒューマンリソシア)や、WinActor関連製品のロードマップ紹介(NTTデータ)などが配信されました。視聴した各現場の方々がこれらの情報をヒントに、新たな業務効率に結びつけてくださるかもしれません。
大規模展開が可能で、集合研修よりも参加しやすいオンライン開催という形式を採った「デンソーグループRPAユーザー会」は、情報共有や業務改善への意思統一などを図りながらRPAを全社推進していくための、理想的な施策と言えるでしょう。デンソーグループのように社員数の多いグローバル企業に限らず、RPA推進を手がける多くの担当者様に参考にしていただけるのではないでしょうか。
【デンソー社事例に学ぶ】RPAからDXへの発展
NTT DATA Innovation Confernce 2021
― 生産性をアップしデジタルで変革を起こす、日本企業の切り札「KAIZEN2.0」
「DX(デジタルトランスフォーメーション)ってなに?」、「RPA(ソフトウエアのロボット)の導入がうまくいかない」、「働き方改革等の社内変革が進まない」…。
大多数の日本の企業が直面する課題です。
このような課題の本質的な解決に最適な方法論こそ、「KAIZEN2.0」
カイゼンと聞くと、昔のモノとか製造業のコトと感じるかもしれませんが、大間違い、なんとグローバルでこそ、KAIZENが再びクローズアップされているのです。
使い方次第で、ホワイトカラーのデスクワークの生産性アップもできれば、新規事業の立ち上げもできるKAIZEN2.0を、グローバルでのトレンドやテクノロジーの最新トレンド、デンソー社事例なども交えご紹介します。
RPAツール「WinActor」の全社展開を進めているデンソーでは、現場主導での業務改善を推進すべく、部門横断のRPAサークルが立ち上がり、1,000人近くも勉強会に参加する空前のスケール・浸透度となっています。
現場を巻き込み、WinActorの展開を推進されているITデジタル本部の伊藤様より、デンソーの構築した仕組みや取り組み、工夫、苦労などをお話しいただきます。
【NTT DATA Innovation Conference2021】
- 開催日:2021年1月28日(木)、29日(金)の2日間にわたってオンライン開催
- テーマ:デジタルで創る新しい社会
- レポートURL:https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2021/0511/
株式会社デンソー 会社概要
企業名 |
株式会社デンソー |
---|---|
所在地 |
愛知県刈谷市昭和町1-1 |
設立年月日 |
1949年12月16日 |
主な事業内容 |
自動車部品メーカー |
ウェブサイト |
https://www.denso.com/jp/ja/ |
(2021年5月現在)
WinActor販売特約店
会社名(商号) |
ヒューマンリソシア株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1F |
取扱商品 |
WinActor, WinDirector |
独自ソリューション |
【教育】 【技術支援】 【連帯ソリューション】 【その他】 |
ウェブサイト |
https://resocia.jp/corporate/solution/rpa/ |
RPAソリューションのお問い合わせ先 |
ヒューマンリソシア株式会社 RPA事務局 |
(2021年5月現在)