【悲報】RPA導入で「よくある失敗例」とは【6パターンあり】

政府による働き方改革の推進の一環で、RPAの導入を実施している企業が多く存在します。
ただ、すべての企業でRPAの導入が成功しているわけではなく、導入しても効果がないという企業や、思っていたよりも効果が小さいなど、導入に失敗したという企業も少なくありません。
そこで本記事では、RPAの導入で「失敗する原因」と「成功するためのポイント」を解説します。ぜひ本記事を読んで頂き、RPAの導入を成功させる手助けになると幸いです。
RPA導入における「失敗の原因」とは【6パターン】
RPAは生産性向上や業務効率化に適しているといわれていますが、導入方法を間違えると失敗して効果を発揮できません。
失敗する原因は大きく分けて、以下の6つに分類できます。
- その①:RPAを導入する目的が不明確
- その②:RPAの運用ルールを決めていない
- その③:RPAが得意なこと・できることを把握していない
- その④:RPAの運用担当者を決めていない
- その⑤:RPA化した業務範囲がわからなくなってしまう
- その⑥:RPAの導入効果を把握できていない
原因について、1つずつ解説していきます。
その①:RPAを導入する目的が不明確
RPAを導入する際に、導入目的が明確でない場合は失敗する事が多いです。
RPAを導入するだけで生産性向上や業務効率化ができる、というイメージを持って導入する企業は少なくありません。
RPAはソフトウェアの1つであり、業務をサポートするためのツールです。
そのツールをどの頻度で、どう使うか、導入した結果どうなりたいかという目的を明確にしておかないと、失敗へつながってしまいます。
その②:RPAの運用ルールを決めていない
RPAは人間が行っている業務を、ロボットが代わりに作業してくれるツールです。
そのため、業務に変更があれば修正をしていく必要があります。
RPAを導入後の運用ルールが決まっていない、もしくはあいまいな場合やロボットを修正する際のルールが決まっていないと個別で対応することになり、管理しきれずに統制が取れません。
また、RPAはネットワークやパソコンの不調などから、予期せぬ動きをする場合があります。
そういった場合のリカバリ方法なども決めておかないと、業務へ影響を与えてしまい、工数削減どころか増えてしまう可能性も秘めており注意が必要なポイントです。
その③:RPAが得意なこと・できることを把握していない
RPAは魔法の杖ではないため、導入すればすべてが解決するわけではありません。
RPAが得意としているのは、以下のような業務分野です。
- 単純な定型業務の自動化/効率化
- 正確なデータ入力
逆に言えば、以下のような業務を含むものはRPAが不得意な部分であるため、導入するのは危険です。
- 複雑な判断が必要な業務/効率化
- パターンが多すぎる業務
このあたりを区別せずに、とりあえず導入するという進め方だと失敗するケースが少なくありません。
RPAに向いている業務の見分け方については、>>RPAに向いている業務と向いていない業務【対象業務の選び方も解説】にて解説をしています。
その④:RPAの運用担当者を決めていない
RPAはExcelやPowerPointなどとは違い、まだまだ世の中に浸透していないツールであり、多くの人はどういうものなのかをわかっていません。
そのため、導入する場合はツールの使い方や特性をある程度理解した担当者を据えた上で自社へ導入する必要があります。
特性を理解している担当者が不在の場合、RPAの導入自体が進まない、導入したとしても稼働後にトラブル多発するケースが多いです。
トラブルが多発し、RPA自体への期待度が下がっていき、最終的には活用されなくなってしまいます。
その⑤:RPA化した業務範囲がわからなくなってしまう
RPAを導入した直後は、業務そのものとRPA化した業務範囲を知っている担当者がいるため、特に問題は発生しません。
ただし、数ヶ月~数年が経過して、人事異動などで担当者が入れ替わった場合に、RPA化した業務範囲やロボットの情報がうまく引き継がれないケースがあります。
うまく引き継がれなかった場合は、以下の内容が不明確になります。
- どういった業務をRPA化しているのか
- それぞれの業務に何体ロボットがあるのか
- ロボットは業務のどの部分の処理をするのか
不明確なことが増えると、ムダな作業が発生したり、業務に抜け漏れが発生したりと、導入効果が薄まってしまいます。
その⑥:RPAの導入効果を把握できていない
RPA導入前後での業務時間を把握していない場合は、導入効果を測れません。
当たり前の話になりますが、RPAの導入前に課題となっていた業務が導入後は改善されたのかを具体的な数字で確認する必要があります。
また、RPAを導入した業務部分は効果が出て作業時間が短縮されたとしても、RPAを管理する工数や別の部分が増えていたら、全体としてマイナスになるケースもあります。
具体的な導入効果が把握できないと良かったのか悪かったのか、さらに効果を出すための改善にも着手できないという状態になりかねません。
RPA導入で成功するためのポイント【5つあります】
RPA導入において、以下の5つのポイントを守ることで、成功する可能性が高くなります。
- ポイント①:RPAを導入する目的と目標を明確にする
- ポイント②:業務内容を整理してRPAで運用する部分を決める
- ポイント③:RPA運用の人材を確保し、運用ルールを明確にする
- ポイント④:運用マニュアルを作りRPAの運用方法を可視化する
- ポイント⑤:スモールスタートして徐々に全社へ広める
ポイントについて1つずつ解説していきます。
ポイント①:RPAを導入する目的と目標を明確にする
1つ目のポイントは「RPAを導入する目的と目標を明確にすること」です。
RPAを導入して、自社がどういった課題を解決したいのかという目的をまず明確にします。
会社によって課題や目的は様々ですが、目的を明確にしておくことで、どうRPAを使っていくのかという方針を具体的に決められます。
また、導入すること自体が目的化するプロジェクトも多くあるため、目的や目標を明確に決めておくことは重要です。
ポイント②:業務内容を整理してRPAで運用する部分を決める
2つ目のポイントは「業務内容を整理してRPAで運用する部分を決めること」です。
RPAを導入する前に、その業務が正しいか、ムダはないかなどの視点で業務整理を行うことで、業務が整理されかつ可視化できます。
きれいに可視化された業務フローを利用することで、RPA化できる業務の選定(効果が出やすい業務かどうかを把握する)が可能となり、導入効果の算出がしやすくなります。
ポイント③:RPA運用の人材を確保し、運用ルールを明確にする
3つ目のポイントは「RPA運用の人材を確保し、運用ルールを明確にすること」です。
RPAを適切に運用するためには、導入したRPAツールについてよく知る人材を社内で育成する必要があります。
RPAについてよく知る人材を「導入/運用」の中心に据えてメンバーを増やしていくことで、社内のRPAを運用する体制を調整できます。
また、RPAの導入効果を維持するために、運用ルールも明確にしておくことが必要です。
運用ルールがあいまいだと、RPAの運用がうまくいかずに高い導入効果を得られません。
人材の確保・育成と運用ルールの明確化は必須でやっておくべき事項です。
ポイント④:運用マニュアルを作りRPAの運用方法を可視化する
4つ目のポイントは「運用マニュアルを作りRPAの運用方法を可視化すること」です。
RPAを自部署だけではなく、他部署にまで拡大していくためには、運用マニュアルを作成し、決めたルール通りに導入/運用していく必要があります。
RPA自体は簡単に使えるため、便利で効果があることが広まると、すぐに広がっていきやすいツールです。
RPAが会社全体に広がっていくと効果が出やすくなり、業務効率化が促進されます。
ただ、ルールがない状態で広がっていくと、以下のようなロボットが乱立して管理ができない状態となります。
- 設計書や業務資料などのドキュメントがないロボット
- 誰も知らないけど動いている野良ロボット
作られたロボットを適切に管理して、効果を最大限に発揮するために運用マニュアルの作成は必須です。
ポイント⑤:スモールスタートして徐々に全社へ広める
5つ目のポイントは「スモールスタートして徐々に全社へ広めること」です。
RPA導入のセオリーは、一部門での簡単な業務から導入するスモールスタートではじめることです。
RPAツールに限りませんが、新しいツールを最初から全社で導入するなど一気に導入した場合、トラブルが発生したときの影響が大きく、業務にも支障が出てしまいます。
また、導入直後はナレッジも溜まっていないため、課題が出たときの解決スピードも速くありません。
そのため、業務への影響を最小限に抑えるためにもまずは小さくスタートして、ロボットの開発や運用の経験を積んだ上で広げていくことで、スムーズに拡大を進めることが可能です。
無料体験して導入するRPAツールを決めよう
RPAツールは数多く販売されており、その中でも自社に合うツールを選ぶ必要があります。
操作感や使い勝手は実際にツールを触ってみないとわかりません。
また、自社が導入しているシステムとRPAツールの相性が悪く動かせないケースも存在します。
そのため、できる限り導入前にツールに触れてみることをおすすめします。
※なお弊社(NTTデータ)が提供するWinActorでは「1カ月の無料トライアル」を用意しており、気軽に試すことができます。フル機能を無料で体験可能なので、興味のある方は「>>RPAツール”WinActor”の無料トライアルページ」をご覧ください。
以上、「RPA導入に失敗する6つの理由と、成功に近づける5つのポイント」をご紹介しました。
RPAは導入方法や事前準備によって、効果が出ないケースがあります。
導入時には本記事でご紹介したポイントを思い出していただき、ぜひRPA導入を成功させましょう。
FAQ
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RPA「WinActor」は、どのような業務に活用できますか。
原則として、Windows上でのすべての作業でご利用いただけます。 具体例として、受発注情報の基幹システムへの登録や、複数システム間の情報連携、ソフト開発での検証作業等での利用実績がございます。
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RPA「WinActor」は、どのくらいの稼動削減の効果がありますか。
業種や対象のデータ、文書によります。お客様による実証実験では、RPA「WinActor」を利用することで、実験の対象とした業務について最大99%の削減が可能となったケースもございます。導入事例はこちら
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RPA「WinActor」が実際に動作している様子を見られますか。
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RPA「WinActor」はどのような特長がありますか。
WinActorのシナリオはフローチャート図として表示されます。フローチャート図は直感的な操作で編集できますので、シナリオの微修正、チューニングであれば、プログラミングの知識がなくても対応ができます。詳しくはWinActorの製品説明をご覧ください。