RPAによる自動化の目的・効果とは?事例もご紹介
働き方改革が叫ばれる昨今、経営の観点からRPAの導入を考えている企業も多いことでしょう。
RPAを導入することで生産性の向上やコストの削減だけでなく、人的ミスの防止やコア業務へのリソース投下が可能になります。
そこで本記事では、RPAを導入することによる効果を中心に、正しい効果の測定や最大化する方法について解説します。また、RPA導入で効果があった事例などもご紹介します。
ぜひ本記事を読んでいただき、知識を深めてみてください。
INDEX
RPA導入による自動化の効果・目的を見積もっておくことが重要
RPAを導入する際には、導入した後に業務がどのように変化して、どのような効果があるのかを考えておくことが重要です。
RPAを導入することで様々な効果を得られることは広く知られていますが、魔法の杖ではないため、何にでも導入すれば効果が出るというわけではありません。
RPAを導入するとどのような効果が得られるかを意識しながら、事前にどの業務に適用すればよいか考えておくことで、より効果を得やすくなります。
そのためには、まずRPA導入効果を「想定」しておく必要があります。RPA導入で期待できる効果については後述します。
※効果測定の具体的な方法は、記事後半の「RPAの導入効果を測定する方法」で解説しています。
RPA導入の7つの目的・効果とは?
RPAを導入することで得られる効果は、大きく分けて以下7つがあります。
- 効果①:定型業務を効率化できる
- 効果②:業務内容を可視化できる
- 効果③:働き方改革を推進できる
- 効果④:ヒューマンエラーが減る
- 効果⑤:人材不足の解消に繋がる
- 効果⑥:コア業務に集中できる
- 効果⑦:業務スピードが速くなる
それぞれの項目について、1つずつ解説していきます。
効果①:定型業務を効率化できる
効果の1つ目は「定型業務を効率化できること」です。
RPAは、事前に設定しておいたルール通りに業務を処理します。
毎回、手順が決まっているような単純な定型業務(例えば、経費精算やデータ入力など)であれば、完全に自動化することが可能です。
ルーチンワークの多くは定型業務に該当すると考えて良いでしょう。
また、人が処理するよりも早いスピードで処理が出来るため、スピードアップも期待できます。
効果②:業務内容を可視化できる
効果の2つ目は「業務内容を可視化できること」です。
RPAを導入する際には、まずは業務フローを洗い出して明確にすることから始めます。
その過程で、これまで各自が行っていたそれぞれの業務について、「具体的にどういう流れで処理を行っていたのか」を明らかにすることできます。
処理の中での不要な部分や、これまでその担当者しかわからなかった業務が可視化され、皆がわかるようになるなど、業務改善にも繋がります。
属人的な業務が多いと、担当者が急に休んだ場合に誰も処理の仕方がわからない等、問題が起きる場合があるため、業務内容の可視化によってそうしたトラブルを避けることができます。
効果③:働き方改革を推進できる
効果の3つ目は「働き方改革を推進できること」です。
ロボットに処理をさせる時間は、労働時間を考える必要がありません。
そのため、早朝や夜間に無人で処理をさせることや、土曜日や日曜日などの休みの日に休まず処理をさせることができます。
RPAに処理をさせる分、人への負担が減るため、残業や休日出勤が削減されてワークライフバランスを保てます。
どうしても休日や夜間に行わなければできないような定型業務がある場合には、より大きな効果が得られます。
効果④:ヒューマンエラーが減る
効果の4つ目は「ヒューマンエラーが減ること」です。
人が作業を行う場合は打ち間違いや入力ミスなどのヒューマンエラーが発生します。
しかし、ロボットは素早く正確に処理をすることができるため、ミスが発生しません。
長時間業務を処理しても、ロボットは疲れることや集中力が切れることがないため、正確に粛々と自動で処理を進められます。
ミスがなくなるとダブルチェックする業務も不要になるため、更なる業務効率化に繋がります。
効果⑤:人材不足の解消に繋がる
効果の5つ目は「人材不足の解消に繋がること」です。
単純で簡単な、誰でも出来るような作業をロボットにさせることで、その作業を行なっていた人材が退職や転職等でいなくなったとしても業務を回し続けることが出来ます。
少子高齢化が進む社会で、人材の確保はなかなか難しい課題です。人手不足は会社経営の存続に関わる大きな問題でもあります。
人手が足りない状態でも、RPAを導入することで業務を続けることができるのは、RPAの強みの1つです。
効果⑥:コア業務に集中できる
効果の6つ目は「コア業務に集中できること」です。
コア業務は会社経営の軸となる業務で、売り上げや利益を直接的に生み出すための業務を指します。
具体的には、商談や戦略立案、採用などの専門知識や試行錯誤が必要な業務と言い換えることもできるでしょう。
RPAを導入すると誰でも出来るような業務をRPAに任せ、創出した時間は人にしかできないコア業務に集中できるようになります。
様々な業務に取り組むよりも、1つの業務に集中することでより高い成果を上げやすくなります。
効果⑦:業務スピードが速くなる
効果の7つ目は、「業務スピードが速くなること」です。
RPAを導入する業務で短縮できる速度が変わりますが、例えば「住所から地図を検索して、その画像をワードに貼り付けて保存する」という業務の場合、人よりロボットの業務スピードはおよそ3倍速いです。
また、人は業務時間に限りがあるのに対して、ロボットは365日24時間稼働できるため、ここでも約3倍の差が出ます。
つまり、RPAを導入するとおよそ9倍の速度で業務を処理できるようになるため、業務のスピードを大きく向上できます。
RPAの導入効果・投資対効果を測定する方法とは?
RPAを導入した場合に、どのように効果を測定すれば良いかわからないという企業は少なくありません。
RPAの導入効果を測定する方法としては、以下の2種類があります。
- 測定方法① 定量的な測定
- 測定方法② 定性的な測定
1つずつ詳しく解説していきます。
測定方法①:定量的な測定
定量的な測定とは、実際の数値を利用して検証することです。
RPAを導入することにより削減された時間や人件費などを使い計算します。
定量的な測定に使用する数値の具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 残業時間や休日出勤の時間にかかる人件費
- RPAの導入前後に業務にかかる時間
定量的な測定では目に見える形で結果を算出できるため、RPA導入の効果がわかりやすいことがメリットです。
測定方法②:定性的な測定
定性的な測定とは、数値には現れにくいが効果があるものを検証することを指せます。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 入力ミスの削減
- 担当者の精神的負担の軽減
数値としての効果は目に見えにくいですが、RPAを導入することで得られる効果が大きいものです。
数値で計測することが難しいだけに、効果の見積もりを行う時点で定性的な効果をどのように測定するか決めておくことも重要です。
RPA導入に向いている業務とは?
RPAを導入して自動化することにより、業務効率化の効果が大い業務にはどのようなものがあるのでしょうか。
RPA導入に向いているのは、繰り返し同じような作業をする定型的な業務です。毎日同じデータを入力・出力する。それをメールで通知するなど、同じ作業を繰り返す業務に向いています。
他にも、経費の精算業務や、労務管理、必要なデータの集計業務などのような定型的な業務は、RPA導入に向いています。
RPA導入で効果が出た事例
RPA導入の効果について理解を深めていただきました。ここからは、具体的な導入事例を用いて、RPA導入で効果を出せた事例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
深谷市の事例
埼玉県深谷市では、業務効率化や、行政サービスの向上などといった効果の実現を目指し、2019年10月よりRPAツール「WinActor」を導入されました。
RPAツールの選定にあたっては、メニューが日本語表記で見やすいことや、プログラミングができない職員の方でも利用できることなどから、RPAツール「WinActor」を選定されました。
「深谷市RPA推進ワーキンググループ」を設置し、市役所内のRPA推進活動をリードされています。その中で、「書かない窓口」シナリオなど、メディアから注目されるようになった業務効率化シナリオも出てきました。最終的には職員の方々全員がRPAをはじめとしたデジタル技術を活用できるようになることを目指しているといいます。
三菱造船株式会社の事例
三菱造船株式会社では、これまで利用してきた文書管理システムがサービス終了となったために、新しく文書管理サービスを導入、その運用を自動化するために、RPAツール「WinActor」も一緒に導入されました。
書類整理や保存作業など、資材の調達業務の多くをRPAツール「WinActor」によって自動化されました。その結果として、年間の作業時間を960時間、264,000枚の紙の削減効果があったといいます。
業務全体のペーパーレス化や、コスト削減などといった効果だけではなく、従来は人間の手作業でやっていた細かい作業から解放されたことによって、従業員の方々の負荷も大きく軽減できたといいます。
株式会社そごう・西武の事例
株式会社そごう・西武では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて新たな消費者ニーズをつかもうと、食品売り場の商品をダイレクトに顧客に届ける「e.デパチカ」サービスの品質向上に取り組まれてきました。
コロナ禍の消費者のニーズをつかんだことで、注文数が増加し、発注処理におけるヒューマンエラーが目立つようになったといいます。その後もさらに注文数が増加していくことが見込まれていたことから、何らかの対策を講じる必要が出てきました。
そこで課題解決の方法として導入されたのが、RPAツール「WinActor」でした。「WinActor」を導入したことで、従来1件あたり5分かかっていた発注表作成業務が1分で終わるようになったといいます。
SATO社会保険労務士法人の事例
企業の労務管理などを受注し、全国7箇所にオフィスを展開されているSATO社会保険労務士法人も、RPAツール「WinActor」を導入されています。
SATO社会保険労務士法人が一ヶ月で対応する手続き件数はなんと、30,000件にも上るといいます。2015年に政府が電子申請システム「e-Gov」を導入したことをきっかけに、手続きをデジタル化して業務効率化しようと考えるようになったそうです。
そこで国産であり、プログラミングが使えない方でも開発できることなどから、RPAツール「WinActor」を導入。「WinActor」を24時間365日稼働させ、公文書の回収業務を効率化。1日あたりの確認業務の負荷を大幅に減らすことに成功されました。
株式会社カネミツの事例
国内トップシェアを誇る自動車用プーリなどを製造されている機械メーカー、株式会社カネミツも、RPAツール「WinActor」を導入されました。
2016年、同社では業務改善プロジェクトが立ち上がり、その中で業務改善の手段として、RPA活用が検討されるようになったといいます。そこでRPAツールの選定が始まり、プログラミング不要で開発できることや、日本語で操作できることなどから、RPAツール「WinActor」を選定されました。
業務日程表のメール配信や、稟議書への回答など、数十の業務を自動化されました。RPAの導入によって、業務時間の削減といった効果だけでなく、常に業務改善を考えるマインドセットが養われたそうです。
RPA導入で確かな効果を得たいならWinActor
RPAツールをお探しなら、NTTグループが研究・開発したRPAツール「WinActor」がおすすめです。海外製のRPAツールも多い中で、「WinActor」は純国産のRPAツールで、操作画面や操作マニュアル、サポート文書なども日本語でできていて使いやすいです。
また、プログラミング不要で開発できる点も大きなメリットです。業務に精通している現場の従業員の方々が主導してRPA導入を進めることができます。
「WinActor」はパソコン一台、低予算からスタートできます。国内で多くの導入事例があるため、それぞれの企業に適した導入方法を提案可能です。ぜひ「WinActor」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
RPAの効果・目的はあらかじめ決めておきましょう
以上、RPAツール導入の効果や目的などについてまとめてご紹介しました。
RPAツールを導入する際には、あらかじめRPAツール導入の効果について検討した上で導入するのがおすすめです。
RPA導入で期待できる効果は、以下のようにまとめられます。
- 効果①:定型業務を効率化できる
- 効果②:業務内容を可視化できる
- 効果③:働き方改革を推進できる
- 効果④:ヒューマンエラーが減る
- 効果⑤:人材不足の解消に繋がる
- 効果⑥:コア業務に集中できる
- 効果⑦:業務スピードが速くなる
上述した効果を得るためにも、使いやすいRPAツールを選定することが重要です。RPAツール「WinActor」は操作画面も日本語でできていて使いやすく、プログラミング不要で開発できます。ぜひ「WinActor」を導入して大きな効果を上げてみてください。
FAQ
RPA「WinActor」は、どのような業務に活用できますか。
原則として、Windows上でのすべての作業でご利用いただけます。 具体例として、受発注情報の基幹システムへの登録や、複数システム間の情報連携、ソフト開発での検証作業等での利用実績がございます。
RPA「WinActor」は、どのくらいの稼動削減の効果がありますか。
業種や対象のデータ、文書によります。お客様による実証実験では、RPA「WinActor」を利用することで、実験の対象とした業務について最大99%の削減が可能となったケースもございます。導入事例はこちら
RPA「WinActor」が実際に動作している様子を見られますか。
担当者がお伺いしてデモを実施いたします。製品のお問い合わせよりご相談ください。また、各種展示会やイベントにも出展をしております。出展イベント情報についてはニュースをご覧ください。
RPA「WinActor」はどのような特長がありますか。
WinActorのシナリオはフローチャート図として表示されます。フローチャート図は直感的な操作で編集できますので、シナリオの微修正、チューニングであれば、プログラミングの知識がなくても対応ができます。詳しくはWinActorの製品説明をご覧ください。