TOP導入事例【WinActor®対談シリーズ第2回】「1ユーザーの僕がRPA普及に励む理由」~株式会社ダイナックスWinActor全社展開の軌跡~  全社展開へ向けた周知活動と、その効果

【WinActor®対談シリーズ第2回】「1ユーザーの僕がRPA普及に励む理由」~株式会社ダイナックスWinActor全社展開の軌跡~  全社展開へ向けた周知活動と、その効果

(写真右より) 澁谷 匠氏 株式会社ダイナックス 管理本部 情報システム部 IoT推進チーム 主幹 WinActor RPA認定技術者 エキスパート 
中川 拓也 株式会社NTTデータ 社会基盤ソリューション事業本部 ソーシャルイノベーション事業部 デジタルソリューション統括部 RPAソリューション担当 部長

 

自動車や建設用機械、船舶などの摩擦機能部品を開発・製造している株式会社ダイナックスでは、情報システム部 IoT推進チームが中心となって、WinActorによる社内業務の効率化を、着々と進めています。
前回はIoT推進チームの主幹 澁谷 匠氏に、WinActorとの出会いや、具体的なシナリオ開発の流れなどを伺いました。
第2回目となる今回は、増えつつあるロボットの管理方法や、全社展開に向けた周知活動、RPA導入にあたって重要な考え方などについて語っていただきました。
インタビュアーはNTTデータ RPAソリューション担当 部長の中川 拓也です。

増えつつあるロボットの管理に、独自プログラムを活用

中川: 稼動ロボットも増えつつあるとのことですが、管理統制はどのようにされているんでしょうか?

澁谷: ロボットが少ない頃は、僕ともう一人のRPA担当が、実行時刻になる度にリモート監視して、異常がないか確認するようにしていました。
ただロボットが増えてくるに従って、次第にそうも行かなくなってきて、どうしようか悩んでいたところ、IoT推進チームの工場担当のメンバーが、Pythonで簡易版WinDirectorをつくってくれたんです。
機能は最小限で、処理が正常終了したのか、エラーが出たのか、これから動くのか…といった3つが分かるものです。

中川: それはどんな仕組みで動いているんでしょう?

澁谷: 各ロボットには処理が終了した時点で、ファイルサーバにログを書き出させます。Pythonで組んだ監視プログラムが1分周期でファイルサーバを見に行って、ログがあるかどうか、あればそれが生成された時刻をチェックします。その時刻を、予め用意しておいた管理表(各ロボットの予定終了時刻が記載されている)と照らし合わせるんです。予定終了時刻より前にログを生成したロボットは正常、予定終了時刻を過ぎていてもログを生成していなければNGと判定します。
結果はサーバにアップして、大画面で視覚的にチェックできるようにしています。正常終了したロボットには青アイコン、問題があったロボットには赤アイコンがつくので、赤アイコンのロボットがあれば、リモートで実行端末に入って対処するという流れです。
最新版では、シナリオごとに何件エラーがあったかのリストも出せるようになっていて、シナリオ改修の目安にしています。

中川: すばらしい。ユーザー発のアイデアツールが生まれるというのは、メーカーとしても嬉しいことです。同様の課題を持つユーザーは多いと思うので、商品化して、弊社のDXマーケットプレイスで販売していきませんか?

澁谷:面白いですね。検討してみたいです。

自作の簡易版WinDirector。壁掛け大画面モニターの管理画面で処理状況が一目でわかる。

社員食堂で映像を流し、認知度・理解度の向上に成功

中川: 少し話は遡りますが、全社展開推進のトップの号令に至るまでは、地道にRPA担当のお二方が現場を廻って、自動化できる業務を探されていた…ということですよね。

澁谷: ええ。当初はなかなかRPAというものを理解してもらえず、大変でした。それでいろいろと認知向上のための施策を打ってきました。社内報に紹介ページをつくったり、グループウェアのインフォメーションで情報を流したり。
一番インパクトがあったのは、社員食堂で流したデモ動画ですね。食堂は皆が集まるところですし、大画面で映像が流れていると、なんとなくではあっても目に入りますから。

中川: どんな動画をつくられたんですか?

澁谷: 既に4本つくっているんですが、そのうちの1本は「人間 vs WinActor」というものです。「勤怠データを取得してExcelに貼り付け、メールに添付して送信する」という作業を、僕とWinActor、どちらが早く終わらせられるか、対決形式で見せています。結果は僕のボロ負けなんですけどね。WinActorは30秒で完了、僕は4分半かかった…というのを比較して見られるようにしました。4分半って、遅すぎると思われるかもしれませんが、社員の平均よりはずっと速いんですよ。

中川: 面白いですね。動画だと、澁谷さんが初めてWinActorを見たときのように、感動まで伝わり易いと思います。それに食堂という場所の効果も大きそうですね。

澁谷: 食事中だとリラックスして動画を見る余裕がありますし、食堂だと音を出せますから、無音のスライドショーよりも興味を持ってもらえますね。
また映像の最後には必ず次回予告を付けて、少しでも期待を持ってもらえるように工夫しました。
ただ「ロボットでやれば何でも速くできる」と思われると困るので、「人の判断が必要なものはできない」というような説明もきちんと入れています。

アイデアが素晴らしい「人間 vs WinActor」編。思わず見入ってしまいます。今回特別に動画をご提供いただきましたので、記事下よりご覧ください。

中川: 効果はいかがでしたか?

澁谷: 役員も食堂での映像を見てくれていたようで、我々IoT推進チームが「WinActorを全社展開したい」とプレゼンした際、「ああ、あの食堂で流れていたものか、あれは良いね」とすぐに理解してもらえました。全社展開のトップの号令が早く実現した要因にもなったわけです。
社員からの評判もいいですね。単に「面白い」だけではなく、RPAについての理解度も高まっているようです。
直近の例なんですが、ある部門から「こういう業務を自動化できないか」と相談を受けました。話を聞くと、相談に来る前に部門内で業務の手順を整理し、さらに「きっとRPAなら、こうした方がやりやすいだろう」と、業務手順の組み替えまでしてくれたということでした。

中川: 業務だけでなくRPAについても理解していないと、できないことですよね。

澁谷: ええ、どうやら食堂の映像でRPAに興味を持って、自分達でロボットにできること、苦手なことなどを調べてくれていたようなんです。それを踏まえて、業務手順の見直しまで現場でやってくれていたので、我々としても開発しやすかったですし、精度の高いロボットを提供できました。
まだ社員全員がそういうレベルではないのですが、これからもっと認知度を上げていけば、開発時間を短くできて、数も増やしていけるだろうと思っています。

中川:トップダウンで一方的にRPA化を推し進めると、業務手順の見直し依頼なんて、まず受けてもらえないですからね。現場のご担当者が自ら見直してくださるなんて、こんなに素晴らしく、嬉しいことはないですよね。

トヨタ生産方式とRPA、その類似点とは?

  

中川: 製造業の業務改善と言えばトヨタ生産方式が有名です。私は、カイゼンの神様と呼ばれる大野耐一さんの本を読んで、カイゼンは工場だけでなくオフィスにも応用できると確信を持ち、「自分達で業務の生産性を高めましょう、まずはWinActorハンズオン研修を受けてみましょう」と呼びかけてRPAの普及に取り組んできました。
一方で、大野さんの本には、「まずロボットを入れようと考えるのは駄目」とも書いてあるんです(苦笑)。私の行動に矛盾があるようですが、ここには用途固定の産業用ロボットと、業務に併せて用途(シナリオ)を作り上げるソフトウェアロボット(RPA)の違いがあり、RPAは、ある程度ロボットありきが適する、と思っています。
加えてRPAの場合、「ロボットでこんなことまでできるんだ!このパソコン操作は手作業でやる時代ではないんだ!!」という刺激や感動を体験してもらうところが重要なスタートラインだとも思っています。

澁谷: トヨタ生産方式については生産管理部の頃にかなり勉強していたので、このような場所でお話しできてうれしいです。中川さんがお考えのように、RPAに通じる学びは多いと思います。
まずトヨタ生産方式では、異常があれば止まる仕組みであることが基本です。RPAでも、異常があればきちんとログを残しエラー対処をして止まるようにシナリオを組むことが重要です。
また「まずロボットを入れようと考えるな」というのは、今、手でやっている業務を効率化した上で、どうしても必要な部分だけをロボット化するという意味ではないでしょうか。産業用ロボットは高額ですし、入れてから用途を変えるのは難しいですから。これも、RPAにも通じる重要な考え方だと思います。
(前編でもお話ししたように)当社では、部門ごとに業務の棚卸しをした上で、部門長が「この業務は人が時間をかけてでも、絶対にやる必要がある」というものだけを、自動化の候補として我々IoT推進チームに上げてもらうという手順を踏んでいます。棚卸しをして、続ける必要のない業務が見つかれば、それを止めるだけで効率化につながりますから。

中川: 確かにRPAの導入は、本当にその業務をロボットにやらせるべきなのか、他に簡単な手段はないかを考えるきっかけとしても有効ですね。
「せっかく導入したんだから」と、本来やらなくてもいい業務を自動化してしまったり、四半期に1度、1時間だけ実施する業務の自動化に2週間もかけてしまったり…私もそういう例を知っています。

澁谷: ただし社内展開の初期段階では、効果があるかどうかより、パッとつくってみて、RPAがどういうものかを実感してもらうことも必要です。
「そんな小さいロボットなら、つくらない方がいい」なんて言ってしまうと、せっかく自動化に取り組もうとしていた相手のやる気を削いでしまいますからね。次の展開につながらなくなったりしてはもったいないですから、その辺りは臨機応変に…。

中川: うまいなぁ(笑)。社内展開のテクニックのひとつですね。

(まとめ)
今回は開発の手順書や業務選定の手法など、WinActor活用の現場から生まれたコツ社内食堂で流した映像は、RPA担当のお二方で企画から出演、撮影、編集まで手掛けられましたが、お二方とも、映像編集経験は無かったとのこと。最近は簡単な映像編集ソフトもありますから、皆様もチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
次回はロボット開発という仕事のやりがい、さらに澁谷氏が主催しているコミュニティ活動などについて伺います。

今回特別にご提供いただきました【株式会社ダイナックス提供】RPA啓蒙動画(#3 人VSロボットIPPON勝負)はこちらから

 

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会社概要

会社名(商号)

株式会社ダイナックス

本店所在地

北海道千歳市上長都1053番地1

設立

1973年(昭和48年)6月

事業概要

乗用車・商用車並びに産業用・建設機械用・船舶用の湿式摩擦材、プレート等、摩擦機能部品の製造販売

ウェブサイト

http://www.dynax-j.com/dnx/ja/index/

RPA導入効果

2年半で7,568時間/年(2020/3月末時点)

体制

情報システム部IoT推進チーム2名専任体制

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