NTTデータ認定WinActorアンバサダー NTTデータ認定WinActorアンバサダー WinActor無料トライアル! WinActor無料トライアル! NTTデータRPAパートナーアワード2023-2024受賞企業一覧 NTTデータRPAパートナーアワード2023-2024受賞企業一覧

WinActor TOP導入事例【WinActor®対談シリーズ第1回】「1ユーザーの僕がRPA普及に励む理由」~株式会社ダイナックスWinActor全社展開の軌跡~  情シスと現場、その中間がRPAに最適

【WinActor®対談シリーズ第1回】「1ユーザーの僕がRPA普及に励む理由」~株式会社ダイナックスWinActor全社展開の軌跡~  情シスと現場、その中間がRPAに最適

2020/05/08

製造

  • facebook
  • X(旧twitter)
  • hatena

自動車や建設用機械、船舶に使われる摩擦機能部品(クラッチ用ディスクやプレートなど)の製造で国内市場シェア1位を誇る株式会社ダイナックスですが、今や、RPAの最先進ユーザー企業としても日本を代表する顔になりつつあります。

 同社のWinActor全社展開を主導し、その経験をもとにRPACommunity運営をはじめとした社外でのRPA普及啓発にも携わられているのが、IoT推進チームの主幹 、澁谷 匠氏です。なぜRPAを利用するようになったのか、どのようにロボット開発や全社展開を進められたのか、そしてなぜユーザーでありながらRPAの普及活動に力を入れているのかなど、澁谷氏のRPAへの関わり方やそこに込めた想いを、NTTデータ RPAソリューション担当 部長の中川 拓也が伺いました。

澁谷 匠氏
株式会社ダイナックス 管理本部 
情報システム部 IoT推進チーム 主幹  
WinActor RPA認定技術者 エキスパート

中川 拓也 
株式会社NTTデータ 社会基盤ソリューション事業本部
ソーシャルイノベーション事業部 デジタルソリューション統括部
RPAソリューション担当 部長

現場の仕事を知っている、生産管理部の自動化から着手

IoT推進チームメンバー : 左より永峯氏、澁谷氏、中村チーム長、斎藤氏、藤澤氏

中川: まずIoT推進チームの社内での位置づけについて、教えてください。

澁谷: 情報システム部の中に、基幹システムを担当するシステムサポートチームと、社内のIT機器管理を行うユーザーサポートチーム、そしてRPAのような先進技術に取り組むIoT推進チームがあります。 
IoT推進チームリーダーの中村には「現場の仕事を知っている人間がシナリオをつくって即効性を示す方が、RPAの浸透や他部門への横展開もはやいだろう」という考えがあり、RPA担当メンバーは、現場からの公募というかたちで集められました。
僕を含め、この公募で集まったメンバー2人は生産管理部の出身で、僕達がよく現場を知っている生産管理部の業務から、RPAによる自動化に着手することになりました。

中川: 製造業にはカイゼンの文化があるので、RPAは上手くハマりそうですね。

澁谷: そうですね。でもカイゼンは「工数を減らしつつ、高品質のモノをつくっていこう」という、工場での推進が主で、間接部門は「自分達には適用できないもの」と一歩引いて見ていたように思います。
以前は僕も「基幹システムを使った作業は、人がやらざるを得ない」と思っていました。それほどバックオフィスには、カイゼンの文化がなかったのです。

中川: システムを用意する情報システム部門と、用意されたシステムを使う現場、両者の隙間を埋めることに役立っているのがRPAです。私はRPAを推進する組織も、両者の中間にあるのがいいと思っていて、そういう意味で御社のRPA担当は理想型ではないかと。

澁谷: 確かに情シス内のチームでありつつ現場目線を持った、“いいとこ取り”をした組織になっていると感じています。RPA担当が専任であることも、重要ですね。兼務だと自動化の実現は遅れていたでしょうし、ノウハウも溜まりにくかったでしょうから。

独自の開発手順書で、メンテナンス性を高める

中川: 澁谷さんが最初にWinActorを触るまでの経緯や、その時の印象について教えてください。

澁谷:僕は入社後10年、生産管理部一筋で働いていましたが、新しいことにチャレンジしてみたいと、先ほどお話ししたとおり、公募を通じてIoT推進チームのメンバーになりました。
WinActorというものを初めて見たのは、チームへ異動した2018年10月でした。早速、前任者からOJTを受けて、短いシナリオをつくってみましたが、実行ボタンを押すだけで処理が自動で実行されていくのを目の当たりにした時には、「これはすごい!」と驚きましたね。その衝撃と感動は今でも鮮明に覚えています。
それまで何かをプログラミングした経験はもちろん、Excelマクロさえ使えなかった僕が、ちょっと教えてもらっただけでロボットをつくれたことにも驚きました。

中川: 異動時、既にWinActorが導入されていたということですが、選定の理由は聞かれていますか?

澁谷: 当社が選んだ理由は、インターフェイスが日本語であること、プログラミングができなくても使えること、そしてスモールスタートしやすいこと、の3点でした。僕自身も使ってみて、それらの理由には納得しています。実は後になって、他のRPAツールもいろいろと触ってみたのですが、変数の型の指定など僕には難しいところが多く、浸透させるにはやはりWinActorだと思いました。

中川: 変数はRPAツール共通のひとつの難所ですね。他のツールに比べればWinActorで使う変数は簡単なんですが、それでも「難しい」と思われる方が多いようですから。

澁谷: 会社によって適するRPAツールは違うのでしょうが、当社そして僕にはWinActorが合っているようです。開発で壁にぶち当たったときには、販売代理店の担当の方が分かりやすく教えてくれましたし…。この人と前任者が、僕のWinActorの“師匠”です。

中川: 澁谷さんがぶつかった壁というと?

澁谷: 例えばExcelファイルを開く動作をさせる時、「Explorerでファイルを開く」とか「ファイルと関連づいているアプリ起動」とか、同じ結果を得るために複数の方法が用意されていますが、どれをつかうべきか、よく悩みましたね。
最初の頃は、複数の方法を試し混在させてシナリオをつくっていましたが、実はそれぞれの方法に、法則性や優先順位があるんじゃないかと思い始めたんです。
“師匠”に聞いてみると、「『ファイルと関連付いている…』の方法でファイルを開くと、それが開ききるまで次の動作を待ってくれる」というようなコツを、いろいろと教えてくれ、迷った時の参考にすることができました。そういうコツのようなものは、シナリオ作成の手順書にも落とし込んでいます。 

中川: その手順書には、他にどんなことが載せてあるんですか?

澁谷: 代表的なのは、シナリオやノードに名前を付ける時のルールですね。当社でロボットをつくっているのは僕を含めて2人で、最初はそれぞれの個性を出しながら名前を付けていました。でもルールに基づいて命名しておかないと、たった二人の間のやり取りでさえ、メンテナンスなどの効率が悪いことに気づいたんです。それ以前につくったシナリオも、手順書に沿うように見直しました。手順書は常にブラッシュアップして、最適な状態を保つようにしています。

自動化を要望された174業務を、6つの条件で絞り込む

中川: 現状、社内ではいくつくらいのロボットが稼動しているんでしょうか?

澁谷: 64です。多くは生産管理部用のものですが、2019年の秋からはRPAの全社展開が始まり、僕たちも徐々に他部門のロボットの開発まで手がけるようになってきています。
全社展開にあたっては、まず各部門で業務の棚卸しをしてもらいました。次に部門長がそれを見て「この業務は不必要だから、今後やらなくていい」「これは人が行う」「これは自動化候補」と選別し、自動化候補となったものだけを提案書として我々に上げてもらう、という段取りにしました。2019年9月の段階で、提案書は174にものぼりました。
これを我々がさらに6つのチェックリストに基づいて絞り込み(囲み参照)、時間的効果の高い業務トップ10の自動化から取り組むことにしました。現在はまだ開発中ですが、完了すれば、目標に掲げている年10,000時間の時短につながると試算しています。


1)流用可否:開発済みのロボットが流用できるかどうか(既存のシナリオを流用できれば開発時間が短くてすむので、開発対象としやすい)
2)業務工数:月3時間以上の工数があること(年10万円以上の効果があるかどうか)
3)作業頻度:最低月1回以上、その作業を行う必要があること
4)業務内容:人の判断が入らないものであること
5)業務変更:今後1年以内に業務手順や使用システムが変更されないこと
6)システム横断:業務手順がシステムを横断していること(Excelだけで完結するなら、マクロをつくった方がはやいから)

中川: 削減できる時間の試算は、どのように行われているんでしょう?

澁谷: 各部からの提案書には、“人が行う場合の作業時間”の概算を記載してもらっていますが、自動化すると決めた業務については、改めて細かい手順書をつくってもらいました。各手順にかかる時間も正確に計測してもらい、それが月に何回あるか、何人でやっているのかを積算して、最終的な効果時間を算出しています。

中川: 最初から手順書を出してもらうことはしなかったんですか?

澁谷: 当初はそう考えていましたが、「手順書をつくる時間がない」という意見が多かったので、手順書よりも簡単につくれる提案書というステップを設けました。さらに手順書は現場の負荷が大きくならないように配慮して、RPAチームで簡易フォームをつくりました。業務中の画面キャプチャ―を貼りつけて、クリックするところに印を付ける程度の簡単なものです。

中川:自動化すべき対象業務が見つからない、といった課題感はよく聞きますが、6つの観点で絞りこまなければならないほど、対象業務候補は沢山あるんですね。

澁谷: ええ。現場が自動化に積極的になってくれているお陰です。今やっているトップ10の業務が自動化されれば、その影響で仕事の仕方にも新たな変化が出るかもしれませんし、社内でのRPAの認識もさらに深まるでしょう。だからその時点でもう一度、各部に自動化したい業務を募ってみようと思っています。

(まとめ)
今回は開発の手順書や業務選定の手法など、WinActor活用の現場から生まれたコツを伺うことができました。
次回はWinActor導入後、多くのご担当者様にとって高いハードルとなりがちな、社内展開の方法について語っていただきます。

 

印刷する

 

会社概要

会社名(商号)

株式会社ダイナックス

本店所在地

北海道千歳市上長都1053番地1

設立

1973年(昭和48年)6月

事業概要

乗用車・商用車並びに産業用・建設機械用・船舶用の湿式摩擦材、プレート等、摩擦機能部品の製造販売

ウェブサイト

http://www.dynax-j.com/dnx/ja/index/

RPA導入効果

2年半で7,568時間/年(2020/3月末時点)

体制

情報システム部IoT推進チーム2名専任体制

その他の事例

TOPページへ戻る