TOP導入事例WinActor導入事例【讀賣テレビ放送株式会社】年2,000数百時間の作業を削減。WinActorに精通した派遣スタッフと取り組む「働き方改革」

WinActor導入事例【讀賣テレビ放送株式会社】年2,000数百時間の作業を削減。WinActorに精通した派遣スタッフと取り組む「働き方改革」

讀賣テレビ放送様

(読売テレビ放送 総務局 労政部 専門部長 兼 働き方改革推進部 関岡 聖司氏(右)と、パソナ RPAエキスパート 眞喜志 涼子氏)

 

近畿地方でテレビの広域放送を手がける讀賣テレビ放送株式会社(以下、読売テレビ)。大阪本社の他、東京支社および名古屋など国内3支局、海外3支局を有し、「情報ライブ ミヤネ屋」「秘密のケンミンSHOW」など人気番組の企画・制作も手がけています。

 

同社では2018年11月から社内の事務にWinActorを導入、年換算で約2,000数百時間もの効率化を実現に成功しているとのこと。その詳細を、同社 総務局労政部 専門部長 兼 働き方改革推進部の関岡 聖司氏と、シナリオ作成などを担当しているパソナの眞喜志 涼子氏に伺いました。

 

RPAツール導入後の問題は、「誰が継続的に運用して行くか」

読売テレビでは2018年2月、働き方改革の手法を探るために「働き方改革EXPO」と銘打った社内イベントを実施しました。これはITソリューションの開発・販売を手がける事業者10社ほどが、それぞれ業務効率化を目的としたソフトウェアやサービスを展示し、読売テレビやグループ会社の社員に紹介するというものです。そこに展示されていたRPAツールは社員からの関心も高く、イベント終了後、間もなく全社的にRPAを導入していく方針が決まったということです。

 

関岡氏が総務局に異動してきた6月から、具体的な導入検討が始まりました。氏には報道や番組制作のITインフラ構築に携わった経歴があり、RPAツールの選定や導入も任されることになったのです。

 

「セミナーに参加したり、直接メーカーに話を聞いたりしてRPAに関する情報を集め、最終的にWinActorに決めました。メニューが日本語で“とっつきやすい”というのが一番の決め手でしたね」と、関岡氏は言います。

 

ツールが決まってから問題となったのは、それを使って誰がシナリオを作成するのかということでした。社員の誰かが使い方を覚えたとしても、人事異動でRPA担当を外れてしまうことが考えられます。その場合、うまく引継ぎができるのかが不安の種になったといいます。

 

WinActorと同時に、パソナの「RPAエキスパート」派遣を契約

関岡氏「ちょうどその頃、パソナがWinActorに特化した人材を養成し、派遣しているということを知りました。そこでWinActorの契約と同時に、パソナとも契約を交わすことにしました」

 

WinActorの販売特約店でもあるパソナでは、2年前から派遣登録者向けに「RPAエキスパート育成講座」を開催、1か月にわたるトレーニングを修了した人材を「RPAエキスパート」として、要望のある職場に派遣しています。読売テレビに派遣されている眞喜志 涼子氏も、その一人です。

 

WinActorによる自動化対象業務は、関岡氏をはじめとする働き方改革推進部が事務局となっている「働き方改革推進委員会の事務局メンバーが、各部門に出向いてヒアリングを行い、選定していきました。関岡氏の前任がリストアップしていた候補は20業務ほどあったそうですが、そこからRPAに適さないものを排除したり、別案を追加したりして5業務に絞り、これらをパソナの眞喜志氏と共に、WinActorのシナリオに落とし込んでいく作業を始めました。

 

膨大なデータの短時間集計や、働き過ぎの抑制に利用

最初に完成したのは、テレビ・リモコンの「dボタン」が押された時に、視聴地域のニュースや天気予報、放送中の番組に関連した情報などを表示する「データ放送」のアクセスログを集計し、会議資料に仕上げるロボットでした。

 

この資料は火曜日の午前中の会議に使うもので、担当者は毎週休み明けに、手作業でこれをつくっていました。11時開始で資料作成に2時間くらいかかるため、連休で月曜が休みになった場合に、担当者が大変なことになっていました。
Webから番組別にアクセスログをダウンロードしてきて、それをExcelに貼り付けて集計するこの作業には、毎週2時間、つまり年間で100時間以上が費やされていた計算になります。しかしこれらの工程をWinActorで自動化したことで、すべてが30分ほどで完了するようになり、年80時間ほどの作業時間が削減されました。効率化を追求すればもっと時間は削減できるのですが、WEB側の仕様がしばしば変わる部分などはあえて手作業を残しています。

 

また労政部向けには、勤怠管理の一部を自動化するロボットが複数つくられています。例えばロボットが毎週、勤怠システムをチェックして、休日出勤に対して与えられる代休を消化していない社員に「代休を取得してください」というメールを送るというものなどです。労政部ではこの注意喚起によって代休の取得率を向上させ、働き過ぎの抑制に役立てているとのことです。

 

OCRとの連携で、3日かかっていた作業を1.5~2時間に

さらにOCRと連動させたロボットも作成されています。それが収支明細の集計ロボットです。四半期に一度、取引先から数百枚に及ぶ収支報告書が紙で届き、それを自社の会計方法に合う形式にExcelで集計し直してシステムに入力するという作業が発生していました。作業は1回あたり3日もかかっていたといいます。

 

関岡氏「この業務の自動化では、世間的にも話題になっているOCRとRPAの連携にチャレンジしてみました」

 

まず取引先から送られてきた紙の報告書を、担当者が複合機でまとめてスキャンし、1つのPDFファイルにしたら、その先はWinActorの仕事です。対象となるPDFを1ページずつに分割し、それを「画面OCR」(※)でテキストデータ化、テキストエディタのgrep検索で会計システムへの入力に必要な文字列や数値を検索・抽出し、集計用のExcelに転記するのです。

 

※画面OCR: WinActor用ライブラリとして提供しているOCR。画像ファイルの文字情報を認識し、テキストに出力できる

 

関岡氏「『ロボットには基幹システムに直接データを入力させない』というのが社内の方針なので、会計システムに入力する手前の、集計用Excelファイルにまとめるところまでを自動化しました。このExcelを元に、人が会計システムへの入力を行うことになりますが、そこに至るまでの手間を減らし、楽に入力作業ができるようにすることを考えて、このロボットをつくりました」

 

当初OCRでどの程度、正しい文字認識ができるのかを不安視する声もあり、事前に十分なテストが行われました。その結果、97~98%という精度が見込めることが分かり、このロボットの開発に踏み切ったと、関岡氏は言います。

 

RPA+OCRでの作業をチェックするために、Excelを活用

とは言え、認識率は100%ではありません。そこでOCRが誤認識した際のフォロー策も採られています。集計用のExcelは、WinActorによって転記された数値を自動で再計算するよう設定されています。もし集計要素として転記された数値の合計が、合計額として転記された数値と合わない場合、あるいは数値データ以外のデータ(文字列など)が入力されている場合には、該当するセルが赤く表示されるようになっており、人が会計システムへ転記する際、エラーがあることがすぐに分かるようになっています。また、合計額については「必ず人間が確認する項目」として、セルの背景を最初から赤くしています。

 

集計用Excelによる確認イメージ

■ OCR認識結果

項目 単価(円) 数量(個) 小計(円) 合計額(円)
製品A 200 500 10,000 10,000
製品B 500 100 80,000(正しい数値は50,000なので誤読している) 80,000
製品C 800 50 40,000 40,000

製品Bは、単価500円×数量100個のため、合計額が「50,000」円が正しい値ですが、OCRが「合計額」を誤認識して「80,000」円としてテキスト化にしてしまった場合。WinActorはテキストの内容をExcelに転記するのみなので、エラーが分かりません。

そこで作成したのが、エラー検知機能です。
エラー検知機能とは、確認する項目をExcelで赤く表示する機能です。
Excelにて自動で「単価×数量」の計算を行い、その計算結果が「合計額」と一致しない場合は、該当の小計を赤く表示します。
計算結果の違いだけではなく、数字を文字として誤認識、例えば0(ゼロ)0(オー)とした場合もエラーとして項目を赤く表示します。
また、合計欄は「必ず⼈間が確認する項⽬」として最初から項⽬を⾚く表⽰しています。

■ 集計用Excel

項目 単価(円) 数量(個) 小計(円) 合計額(円)
製品A 200 500 10,000 10,000
製品B 500 100 80,000 80,000
製品C 800 50 40,000 40,000

 

また元のPDFファイルへのリンクがExcelに埋め込まれるようにしてあるため、エラーが出ているシートの元データをすぐに確認し、修正することも可能です。

 

ロボットが担当する作業はExcelシートへの転記までですが、転記先のExcelシートにこうしたエラー検知機能を付けるにあたっては、パソナのスペシャリストとして経験を積んできた眞喜志氏の知見が活かされています。

 

眞喜志氏「自動化にあたって、集計用のExcelの体裁は変えていいと言われていたのですが、あえて従来から使われているものを踏襲しました。担当される方の目や手が慣れている方がいいと思ったからです。見た目は大きく変えずに、中の数式を加工したり、条件付き書式でエラー部分を赤くしたりといった工夫だけに留めました」

 

このロボットによって、3日かかっていた集計作業は1.5~2時間に短縮され、担当者からは大いに喜ばれているとのことです。

 

本格導入にあたっては、WinActorサーバー対応版の利用を検討中

2018年11月、1年間を目処として始まった運用試験フェーズも、取材時には約8ヶ月が経過しており、稼働中のシナリオは8本、削減された作業時間は冒頭でも触れたとおり、年換算で約2,000数百時間にものぼっています。

 

(2019年9月1日に移転する、読売テレビ新社屋)

 

関岡氏「社内でWinActorの成果を報告する機会があるのですが、その度に『こんな仕事も自動化できないか』という問い合わせが入ってきます。効率化のネタはまだまだあるということですから、本格導入に進んでいくと思います。今はセキュリティ問題や、利用範囲を拡大した際のことを考えて、サーバー対応版の導入も検討しているところです」

 

WinActorは、ITの専門家でなくとも使えることを大きな強みとしていますが、この事例のように操作・運用に精通した派遣スタッフの力を借りることで、早期に大規模な効率化を実現させ、その後の適用範囲拡大をスムースにするという導入手法も有効だと言えそうです。

 

会社概要

会社名(商号)

讀賣テレビ放送株式会社 [YOMIURI TELECASTING CORPORATION]

本社所在地

大阪市中央区城見2丁目2番33号(2019年9月1日より新社屋: 大阪市中央区城見1丁目3番50号)

設立

昭和33年2月13日

事業概要

・放送法による基幹放送事業
・放送番組の企画、制作及び販売 ほか

ウェブサイト

https://www.ytv.co.jp/ (外部リンク)

 

WinActor販売特約店

会社名(商号)

株式会社パソナ (Pasona Inc.)

本社所在地

東京都千代田区大手町2-6-2

ウェブサイト

https://www.pasona.co.jp/(外部リンク)

2019年7月10日現在)

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