【WA0182】WebDriverから新ブラウザ拡張機能への移行方法と注意点
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今回のコラムはこんな方にオススメです
・ブラウザ操作方法をWebDriverから新ブラウザ拡張機能へ移行したい
・新ブラウザ拡張機能へ移行の際の注意点が知りたい
※新ブラウザ拡張機能に関するコラムは他にもございますため、ご確認いただけると幸いです。
【WA0075】起動済みのブラウザに「ブラウザ名」を設定できるようになりました(Ver.7.4)
【WA0077】「webdriver使用」なのか「拡張機能使用」なのか
【WA0080】新拡張機能で制約対象のライブラリを実行してみました
【WA0113】新拡張機能を使うかwebdriverを使うかの判断
操作方法をWebDriverから新ブラウザ拡張機能へ変更するだけでは、
変更前は問題なく操作できていたシナリオが、正常に動作しなくなってしまうことがございます。
今回のコラムでは、新ブラウザ拡張機能の制約事項に対し、
移行時に確認しておく点などをご紹介できればと思っております。
【同梱ライブラリ利用時の制約事項について】
過去のコラムにも記載のある通り、「ダイアログクリック」「ファイル選択」「値の設定(入力再現)」ライブラリは、
新ブラウザ拡張機能では使用できません。
また、上記以外にもブラウザ起動時にプロキシ設定を行える、
「ブラウザ起動(ドライバ指定・プロキシ設定)」「ブラウザ起動(プロキシ設定)」
も使用できないことが確認できております。
☆シナリオ内の調査方法
・シナリオ内に上記ライブラリが含まれているか確認する方法として、
WinActorのエクスポート機能としてございます、ライブラリ情報(csv)にてエクスポートすることによって
シナリオ内で使用しているライブラリを調べることが可能です。
出力されたcsvファイルの[ライブラリ名]項目を確認の上、制約事項に該当するライブラリが存在しているかご確認ください。
☆各ライブラリの代替案
・「ダイアログクリック」「ファイル選択」
画像マッチングやエミュレーションを使用してクリックさせる必要があります。
「ファイル選択」については、
クリック後に表示されるエクスプローラーの保存処理も追加する必要があると考えられます。
・「値の設定(入力再現)」
クリップボード+エミュレーションの[Ctrl + V]で入力する方法や、
文字列送信などで対応する必要があると考えられます。
・「ブラウザ起動(ドライバ指定・プロキシ設定)」「ブラウザ起動(プロキシ設定)」
プロキシ設定済みの起動済みブラウザに対して、ライブラリ「ブラウザ名を付ける」を使用するか、
ブラウザ起動後に表示される、プロキシ入力欄を画像マッチングやエミュレーションを使用して入力を行う。
【シナリオ実行時の制約事項について】
こればかりは、Webページの仕様に依存してしまうので、過去にあった事例や検証方法を紹介いたします。
☆過去の事例
・「クリック」による読み込み中のページでwindow.alert()により
ダイアログが表示されているためページロードが完了せず、およそ300秒で
「指定URLのページ表示がタイムアウトしました。」エラーが発生
・WebDriverではクリックできるが、新ブラウザ拡張機能でクリックを行うと、
エラーは出ないが、ページ遷移などせず空振りする。
上記事象に対する代替案・・・
「クリック」を、画像マッチングやエミュレーションへ変更する。
【ブラウザ条件の制約事項について】
新ブラウザ拡張機能が動作するブラウザのバージョンについては、以下の通りとなります。
Google Chrome → 100 以降 (Official Build)
Microsoft Edge → 100 以降 (Official Build)
Mozilla Firefox → 96 以降
ご利用の環境によっては、ブラウザのバージョンを固定していることもあるかと思いますので、
検証前に必ずバージョンの確認を行ってください。
【その他、注意事項】
☆プロファイルについて
個人のプロファイルを読み込むことはできるようになりますが、
ご利用環境によっては下記のような違いによって、動作が上手くいかないことも考えられます。
ブラウザの設定の違いや挙動、複数端末でシナリオ実行する場合は、ブラウザの設定差異を
確認した上で、シナリオの調整をお願いいたします。
1.ウィンドウ識別について
ブラウザに対して画像マッチングやエミュレーションなど、ウィンドウ識別ルールを利用するライブラリをお使いの場合、
ブラウザのウィンドウタイトルに、プロファイル名が変わることによってエラーが出る場合があります。
ウィンドウタイトルを緩めていただくか、ウィンドウ識別の取り直しで対応していただく必要があります。
2.個人プロファイル設定に伴う動作の変化
WebDriver操作時のみ表示される画面等に対して、シナリオ内で対策を行っているかと思いますが、
プロファイルを読みこんだ状態だと、不要な処理も出てくるかと思います。
例)Microsoft Edgeでのエクスペリエンス画面に対する処理 等
また、WinActorで使用する「新ブラウザ拡張機能」以外の他社製品の拡張機能による
挙動の違いについても、環境によっては起こる可能性もございます。
3.ファイルのダウンロードについて
ファイルをダウンロードしていくシナリオを作成している方も多くいらっしゃるかと思います。
ブラウザをWebDriverで起動した場合、
ダウンロード先は「C:\Users\ユーザ名\Downloads」
ダウンロード時の動作を毎回確認するは「オフ」
となっているかと思います。
ブラウザのダウンロード先についても、各環境の設定の影響を受けますので、
WebDriverで起動した時の設定を想定にシナリオを作成していた場合は注意が必要です。
・ダウンロードフォルダが環境によって変更されている
→ダウンロード先が変わる事で、ダウンロード後のファイルが指定されたパスで開けなかったり
ダウンロード後のファイル移動に失敗するなどが考えられます。
・「ダウンロード時の動作を毎回確認する」の設定が「オン」
→上記設定によってファイルダウンロードをクリック後、
自動でダウンロードされず、保存するか開くかの処理が必要になるかと思います。
以上、なにかのお役に立てば幸いです。
【動作検証環境】
WinActor Ver.7.4.4
Microsoft Edge Ver.126.0.2592.81
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