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中学生にもRPAを! - 埼玉・幸手桜高校の新たな取り組み

生徒2

埼玉県立幸手桜高校が2019103日、幸手市立西中学校の2年生を対象に、WinActorを用いた「RPA体験授業」を実施しました。これは進学を希望する中学生たちに、高校での授業を体験してもらう「進路学習会」の一環として行われたもので、「中学生にWinActor を教えるという点では、おそらく世界初の授業だと思います」と、担当の石井 徳幸先生は言います。

少子化が進む中、先進教育を採り入れて差別化を図る

同校が高校3年生向けに「RPAモデル授業」を行ったことは、以前ご紹介しました(詳細はhttps://winactor.com/news/10134/)。当時校長を務められていた西木成男氏は、「 RPAを使いこなし、活用できる人材の育成が、学校現場で求められている」と、実施理由を語られており、4月に赴任された嶋村秀樹校長も、「小中学校でもプログラミングの授業が入ってくる中、高校で通り一辺倒のことをしていては駄目な時代ですから、この取り組みは続けていきたい」と、継続に意欲的です。

 

今回、中学生にまで対象を拡げてRPAの体験授業を行った目的のひとつは、受験生・生徒数の確保にあるといいます。少子化が進み、また高校授業料の実質無償化が始まろうとする中、県立高校でも競争が激しくなっています。そこで先進的な授業が受けられることを、同校のアピールポイントにするのが狙いです。当日は35名の定員に対して37名の中学生が集まりました。

中学生にも「直感的」に使えるWinActor

1月のモデル授業では、NTTデータが派遣したWinActor研修認定講師が行いましたが、今回は石井先生がすべてを取り仕切ります。先生はこの夏休み、産業教育振興中央会からの助成金を利用して、ヒューマンリソシアのRPA研修(中級・上級)を受け、準備してきたといいます。

 

石井先生が用意した作業は、「ある学級の生徒を、テストの得点に応じてA~D4クラスに仕分ける」というもの。全生徒の氏名と得点がリスト化されたExcelのワークシートを1行ずつロボットに読み込ませ、90点以上ならワークシートA8960点ならワークシートB…と、4枚のワークシートへ自動で転記させるプログラムです。

 

WinActorフル機能版がインストールされたPCを割り当てられた生徒たちは、先生からの指示を受けながら、慣れない手つきでプログラミングを進めていきました。途中、上手くいかない生徒がいると先生が回って直接指導し、50分の授業の終わりには、多くの生徒がロボットを完成させました。実行ボタンがクリックされ、ロボットが自動で作業を始めると、教室のそこかしこで小さな驚きの声が上がっていました。

 

(教室を回って指導する石井先生)

石井先生は、「これから人口が減少しますが、仕事に求められる質は変わらない上、短時間に多くの仕事をするよう求められるようになります。ですから、やり方が決まっている仕事はロボットに任せてしまいましょう。皆が大人になって働く時、自分の片腕となるロボットをつくれれば、創造的な仕事をしたり、家族、趣味や余暇などに時間をつかったりすることができるでしょう」と語って授業を締めくくりました。

RPAが使えることが求人条件になる時代へ

授業終了後、石井先生は「前半、ファイルのパスを取得するのに手こずった生徒がいたようですが、それ以外は条件設定も、処理をつなげるところも直感的にやってくれていましたね。段階的に学習していけば、すぐ使えるようになりそうです」と、その手応えを語ってくれました。

 教室ワイド

授業を終えた中学生は、RPAやプログラミングへの興味を深めてくれたようです。

 

-「パソコンはGoogleで調べ物をするときに使うくらいで、今日もプログラムをやっている最中は『これでいいのかな』と思っていました。でも最後はきちんと動いてくれて良かったです」(男子)

 

-「プログラミングは初めてでしたが、楽しかったです。自分がつくったプログラムが仕事を終えると、自分が仕事をし終えたのと同じくらいの達成感や爽快感がありました。今日はデータを仕分けするプログラムでしたが、今度はロボットを歩かせるような、何かを動かすためのプログラムをつくってみたいと思いました」(女子)

 

中学生を引率されてきた先生も「今日は自分たちがつくったロボットが動くのを見られて、いい体験になったかなと思っています。彼ら・彼女らが大人になったとき、プログラミング技術は絶対にお世話になるものですから」と、満足されたようでした。

外観と先生

( 嶋村秀樹校長(右)と石井 徳幸先生)

 

幸手桜高校では、2022年(令和4年)の新学習指導要領改訂に向け、現在、教育課程の刷新に取り組んでいます。将来的なビジネス環境や需要の高まりそうな職業をリサーチし、新しい系列(科目グループ)への変更も検討しているとのこと。

「情報処理の授業でも、エクセルやワードなどの利用技術を教えるだけではなく、自分で考えてプログラムを構築できる人材を育てていければと思っています」(嶋村校長)

 「当校は毎年100名ほどが卒業後、就職しますが、RPAを学習したことが付加価値になるように指導を続けていきたいですね」(石井先生)

 

少子高齢化によって変化していく労働環境を支えるため、また学校そのものへの魅力付けを行うため、同校のように積極的なチャレンジを行う教育機関は、今後ますます増えていくことでしょう。RPAを使えることが新卒の求人条件になる時代は、もう目の前に迫っているのかもしれません。

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